【子どもの保湿、マスクの肌荒れ】冬の乾燥対策を内科・皮膚科医の友利新先生に直撃!
乾燥する冬の季節は、子どももかゆみや乾燥肌に悩みがち。でも、保湿ケアはなんとなくやっていたりしませんか? そこで、内科・皮膚科医で3児のママである友利新先生に、幼児期からやっておくべき正しいスキンケア方法をお聞きしました。さらに、マスクやアルコール消毒によるママの肌トラブルや正しいマスクの選び方も必見です!
目次
子どもの保湿は何歳から何歳まで必要か
__子どもの乾燥肌が気になります。どんなケアをするのがおすすめですか?
子どもの肌は一見ピカピカで潤って見えますが、実は新生児期以外は、ずっと乾燥しているんです。ですから、理想は生後3ヵ月から小学校高学年頃の第二次成長期までは、年中保湿ケアをしてほしいですね。ある研究によると、幼少期から保湿ケアをしていた子の方がアトピー性皮膚炎やアレルギーの症状が出にくいという結果もあります。また、ベースに乾燥肌があると、かゆみの原因にもつながります。かゆみがあると勉強などへの集中力を欠いてしまいますから、幼少期からの保湿ケアは子どもにとってメリットがたくさんあるんです。
子どものスキンケア用品の正しい選び方
__子どものスキンケアは、どんなものを選べばいいですか?
小児科や皮膚科で処方されるヒルドイドなどの保湿剤を使われる方も多いかと思いますが、これらは医薬品ですので、かゆみなどの症状があるときに使うのが正しいです。毎日のスキンケアは市販のボディクリームで十分。子ども用と書いてあるものがベストですが、ナチュラルな成分であれば、大人が使っているものを一緒に使っても基本的には問題ありません。乾燥がひどいときはオイルなどのこってりしたタイプを。香りやテクスチャーもいろいろなものが出ていますから、お子さんと一緒に選ぶのもいいですね。
私がプロデュースした天然由来成分100%の子ども向けスキンケア「メディスキン」も、おすすめです。
歯磨きのようにスキンケアも習慣化を目指して
__お風呂上りに保湿剤を塗るのを嫌がるわが子。何かいい方法はありますか?
昨日までやっていなかったのにある日突然、「これを塗って」と言われたら子どももビックリしてしまいます。ですが、歯磨きは「やって当たり前」ですよね。そんな風に小さい時から保湿ケアはするものとして習慣化させるのがポイントです。わが家には小さい子どもが3人いて、みんなでお風呂に入っていますが、お風呂を出たら保湿剤を塗るまでが毎日のルーティン。楽しみながら自分たちで塗っていますよ。保湿は過保護ではありません!!
お風呂でお子さんが肌を自分で洗うという方もいると思いますが、注意点としては、ゴシゴシとタオルなどでこすらないこと。手のひらで十分なので、よく泡立てた石鹸で、ひじやひざの裏など汚れがたまる所もしっかり洗うように教えていきましょう。
子どもが皮膚科を受診する目安とは?
__乾燥肌で皮膚科を受診する目安はありますか?
かゆみだけであれば、ヒルドイドなどの保湿剤でいいですが、赤みが出たら炎症しているサインなので、必ず皮膚科や小児科を受診してください。放っておいて治ることはありません。かきむしって炎症が悪化してしまう場合もあります。
部屋の加湿は乾燥肌にも効果的?
__部屋の加湿は乾燥肌にも効果がありますか? 湿度何%くらいを目安に加湿すればいいでしょうか?
乾燥した肌は潤いを保つことができません。この状態の肌はターンオーバーが乱れ、バリア機能や保湿機能をつかさどる角質細胞が未熟なものしか作られないため、さらに肌の乾燥が進んでしまいます。潤いが足りずバリア機能が低下している肌は、少しの刺激にも敏感です。この状態が続くことで敏感肌になってしまうため、エアコンなどの暖房器具を使用することが多い冬場は、室内の空気も乾燥しています。加湿器などを上手に利用して乾燥を防ぎましょう。過度の加湿はカビが繁殖する原因になるので注意が必要ですが、室内の湿度は60%程度に保つように気をつけてみてください。
ママの手荒れを防ぐ方法とは?
__お湯で洗い物する冬の時期、今年はアルコール除菌を頻繁に使うこともあって、手荒れがひどいです。どんなケアをすればいいでしょうか?
手は皮脂分泌が少ない場所なので保湿は必須。特にお湯で洗い物をすると、油分まで流れてしまいます。私は仕事柄手を良く洗うので、手荒れをしがち。家での洗い物はゴム手袋をしていますが、かなり効果はあると思います。
ケアとしては、カサカサ程度であればハンドクリームでいいですが、切れてしまったら皮膚科やクリニックを受診しましょう。
肌荒れは治るまでに時間がかかります。切れている状態にアルコール消毒をすると染みて痛みますし炎症が悪化することがあります。そんなときは、アルコール消毒は少しお休みして、流水で15秒手洗いし、マスクをして目や口を手で触らないなどの感染対策をしていきましょう。
摩擦、乾燥、ストレス。マスクによる肌トラブルも増えている
__マスクによる肌荒れも気になります。何か対策はありますか?
マスクをしていると呼気の水蒸気で蒸れている状態になります。そうなると、肌のバリア機能が低下し、肌質によってマスクで隠れている部分にニキビができたり、乾燥肌になることがあります。また、きちんとマッサージなどのケアをしていても、なんとなく肌がくすんできたり、シミが増えるというマスク肝斑の悪化も増えています。
これらの原因としては、マスクによる摩擦と乾燥、ストレスという3つの悪影響が考えられます。
ニキビができたら、水分補給の保湿ケアをメインに油分は少し。カサカサしてきた部分には、美容液などの油分を多めにプラスしてあげましょう。
私も先日、顎にニキビができたのでクリニックで治療してもらったところです。市販薬でも改善が見られないときは、クリニックを受診してみてください。
用途に合わせてマスクを正しく選ぼう
__マスクの選び方がイマイチよくわかりません。何を基準に選べばいいでしょうか?
手洗いはウィルスに効果的なエビデンスが証明されていますが、マスクとの因果関係はまだ分かっていません。ただ、ウィルスを浴びる量を少なくすることはできるので、私はコロナ対策としてマスクを着用しています。
マスクの選び方ですが、肌にとっては布マスクやシルクなど、肌に優しい素材のマスクがいいのですが、ウィルスの侵入を防ぐ点では実は不織布マスクが一番なんです!
スーパーコンピューターを使った実験によると、マスクをして咳をした場合、不織布マスク>ポリエステル相当マスク>布マスクの順で飛沫感染を防ぐという結果が出ています。
医療関係者の多くが、診察で不織布マスクを使っているのはそのためです。
ただ、不織布マスクをずっとつけているとかゆみや肌荒れの原因にもなってしまいますから、人と会話をするなど飛沫が飛ぶような場所に行く際は不織布マスク、ただ買い物に行くだけであれば布マスクやウレタンマスクなど、用途に応じて選ぶといいと思います。
いかがでしたか。最後にママたちへ友利先生からメッセージをいただきました。
「特に大人の肌はホルモンバランスも影響するのでゆらぎやすく、移り変わりやすいもの。急な肌トラブルで慌てないためにも、日頃から対応薬を常備したり、相談できる皮膚科のかかりつけ医があるといいと思います。今の時期は、色々と心配事もあると思いますが、あまりストイックにならないこと。自分が楽しいなと思うスキンケアの時間をとってリラックスする時間も大切にしながら、ママが笑顔でいることが子どもにとっては一番です!」
プロフィール
友利新先生
皮膚科医、内科医として、医師という立場から美容と健康を医療として追求し、メディアを通じて、美しく生きるための啓蒙活動を行うクリエイター。「キレイをつくる医師」として、美容と健康を提案しいている。
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SHINGA FARM(シンガファーム)編集部が執筆、株式会社 伸芽会による完全監修記事です。 SHINGA FARMを運営する伸芽会は、創立半世紀を超える幼児教育のパイオニア。詰め込みやマニュアルが通用しない幼児教育の世界で、毎年名門小学校へ多数の合格者を送り出しています。このSHINGA FARMでは育児や教育にお悩みのご家庭を応援するべく、子育てから受験まで様々なお役立ち情報を発信しています。
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