欧州最大級の科学博物館、パリっ子が夢中になるとっておきのSTEMアクティビティとは?
欧州最大級の科学博物館であるパリの「シテ科学産業博物館」は、STEM教育の宝庫とも言われています。複数の企画展が同時開催されてシーズンごとに入れ替わり、1日ではとても回り切れません。以前も夏季企画展で同館を紹介しましたが、今回はさらに深堀りし、2~12歳までの子ども館の人気アクティビティを中心に大人も楽しめるプラネタリウムなどを紹介します。
https://www.shinga-farm.com/study/cite-des-science-et-de-lindustrie/
(フランスの人気STEMスポット!夏休み子ども企画展も楽しめるパリの科学博物館)
目次
■年齢で2つに分かれている「子ども館」
この科学博物館で見逃せないのが、幼児や小学生に大人気の「子ども館」です。2歳〜7歳用と、5歳〜12歳用の2つのエリアで構成されています。
90分ごとの入れ替え制で、チケット購入時に開始時刻を選択。人数制限があるため混みすぎることはなく、自由に動き回り、走ったり、触ったり、遊びながら、さまざまなことを体験できる場所です。入場後に出入口が閉まるので、子どもが勝手に外へ出てしまう心配がなく保護者は安心できます。
2歳〜7歳用のエリアで特に人気があるアクティビティが「工事現場」です。ヘルメットをかぶり、作業服を羽織って、工事現場ごっこが楽しめます。1人で黙々と作業をする小さな子もいれば、知らない同士で協力し合って作業をする子たちもいます。大きなことを成し遂げたいのであれば、協力が必要だということが学べる場所でもあります。
2歳〜7歳用の「工事現場」
水遊びやパズル、迷路など五感をテーマとしたアクティビティも体験できます。水遊び場では合羽が無料で使えますが、それでも元気に遊ぶ子はびしょ濡れに。あらかじめタオルや着替えを用意し、靴下を脱がせておくのも一案です。
2歳〜7歳用の「水遊び場」
5歳〜12歳用のエリアは、画面操作で行うアクティビティもあります。例えば、自分でコンピューターに操作手順を入力してロボットに小箱を作らせる「工場」。子どもの指示に従い、産業機械ロボットが切断機や折りたたみ機を操作して段ボールの小箱を作り、その子の名前を記載したラベルも作成します。もちろん、その箱は持ち帰れます。
また、アリの巣や蝶々が観察できる「庭園」は、自然の不思議な営みを体感できるアクティビティです。多くの植物や昆虫が生息する小さな世界で、観察することにより好奇心を持つことを学べます。熱帯温室のなかで、卵、毛虫、繭、蝶など昆虫の進化の段階を確認できるのです。
子どもの指示でロボットが箱を作成
「庭園」ではさまざまな蝶が飛び交う
■大人も楽しめるプラネタリウムや潜水艦
地上階から長いエスカレーターを昇っていくと、2階と3階に常設展や企画展がズラリと並んでいます。16もの常設展があり、「バイオインスピレーション」、「ロボット」、「人間と遺伝子」、「脳」、「数学」、「音」、「交通」といったさまざまなテーマで展開されています。一通り見て回れば、子どもが科学のどの分野に興味を示すのかを知る手掛かりにもなります。
「交通」に関する常設展
歩き回ったり遊んだりで疲れてしまったら、3階にある「プラネタリウム」の見学がおすすめです。幻想的な宇宙を映し出す8Kのデジタルプラネタリウムは、米ヒューストンに次いで世界で2番目の導入。星と天が織りなすスペクタクルは、心身を落ち着かせリラックスさせてくれます。
惑星地球の誕生の追体験、北極の海氷で出会うホッキョクグマとペンギンの物語など、行くたびに異なる工夫を凝らしたプログラムを投影。英国のミュージシャン「ピンクフロイド」のアルバムを聴きながら映像も視覚的にも楽しむという、ユニーク体験ができるものもあります。
また、プラネタリウム横にある屋外の芝生で、望遠鏡を使って夕方の空を観察し星座を見つけるというイベントも。空の地図を作成してその日の空を発見し、星座を見つけ、流れ星や流星群などを観測します。
館外には、1982年まで実際に活躍した小型潜水艦の「アルゴノート」が展示されています。地面から少し浮いた状態でドックのようなコンクリートに囲まれ、迫力満点です。
内部も見学でき、寝る場所や食事の場所などを実際に確認することで潜水艦のなかで生活する気分が味わえます。入場時にパネルのQRコードをスマホで読み取れば、音声ガイドも利用できます。
内部見学もできる潜水艦「アルゴノート」
まとめ
「シテ科学産業博物館」は校外学習も含め、パリっ子なら必ず一度は行ったことのある場所。実体験を通じて楽しみながら科学を学べるとっておきのSTEMスポットとして、現地の子どもたちやフランス各地から訪れる子どもたちでいつも賑わっています。
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