受験期を乗り切るためのベストな食事とは?
「受験期に親ができることは、心と体を整えること」そうお話しくださったのは、今年2月にお嬢様の中学受験を終え、受験フードマイスターの資格を持つ、食育・料理研究家中原麻衣子先生。
今回は、3月12日に開催された中原先生の「食で受験生をサポート!」セミナーを潜入レポートします。
目次
免疫力が大切!インフルエンザにも負けない体づくり
受験生を持つ中原先生が大切にしたのは「免疫力」をつけること。免疫力をつけることで、インフルエンザや風邪に負けない丈夫な体づくりを心掛けたそうです。そこで、中原先生のご家庭ではインフルエンザの予防接種をせずに受験期を乗り切ることを目標にされました。
インフルエンザが流行し始める11月からは、たんぱく質がたっぷり摂れるみそ汁と、しょうがとニンニクをたくさん使った料理を取り入れることで、免疫力を高めるように工夫されたそうです。
その結果、中原先生のご家庭では、インフルエンザや風邪にかかることなく受験期を乗り切りました。
中原先生によると、この免疫力向上には基礎体温も重要なポイント。基礎体温が1度上がると免疫力も上がり、体調も整うことから、体を冷やさないように心がけたそうです。
そこで中原先生が注目したのは、基礎体温を下げてしまう食材。食品に含まれる添加物やお砂糖には、体温を下げるものもあるそうです。「まずは、基本の調味料を見直して、添加物の入っていないものに切り替えることからスタートしましょう。
例えばお醤油ならば、「小麦・大豆・食塩のみ」からできているものがおすすめです」とアドバイスをしてくださいました。
受験期のおやつはどうすればいい?
子育て中には、誰もが気になる「おやつ」についてもお話を伺いました。
勉強すると脳を使うので間食や補食が必須です。お昼ご飯で取り込んだエネルギーは、午後の活動ですべて使われてしまっています。そのため、放課後の活動前にはエネルギーの補充が必要です。
おやつには、エネルギーだけでなく毎日の摂取が必要なミネラルやビタミン、食物繊維も一緒にバランスよく取り入れるとよいでしょう。私は、子どもも食べやすく親の負担にもならない、具だくさんのおにぎりやスープをおやつとして出しています。とお話しくださいました。
スープやおにぎりならば作り置きもできるので、実践しやすいですね。
好きなものを食べてもOK!デトックスして体調を整える
丈夫な体づくりを心掛けている中原先生は、デトックスも大切にされているそうです。中原先生が実践されているデトックス方法についてもお話を伺いました。
1年を通じて販売される形の整った野菜、おいしそうな香りのお菓子など、私たちが日ごろ口にしているものには、中毒性がある添加物や農薬が含まれています。
これらを食べないようにすることは、大変難しい状態になっています。ならば、ストレスにならないように好きなものを食べて、体に入ってしまった添加物や農薬を出すこと=デトックスを意識をするようにしています。
私がおすすめしているデトックス食材は、玄米です。一般的に食卓で出されている白米は、糖質とでんぷんからできていますが、玄米にはミネラルやビタミン、食物繊維がたっぷりと含まれており、体内に蓄積された農薬や添加物をデトックスする働きがあると言われています。
毎食玄米にするという事は難しいですが、週に数回取り入れる、7分づき米に切り替えるなど、ライフスタイルに合わせて無理なく玄米を取り入れることで、体内に取り込んだ添加物や農薬をデトックスします。余分なものを排出することで、体調も整うので、ぜひ取り入れてみて下さい。
ただ、玄米は食べ方を間違えると逆効果になることもあるので正しい知識を学んでから取り入れてみてくださいね。HeartfulKitchenでは人気の「玄米講座」もご用意しています(次回は4/18、4/22予定)。
食事は心を作る!受験勉強も食事をしっかり楽しんで
2歳頃に出てくる「食べ物の好き嫌い」は自我の芽生え。それを経て、3歳で味覚が一度でき上がります。
旬の野菜を楽しみながら日本の文化に触れたり、家族との会話を楽しんだりと、食事は心を作るものでもあります。しかし今、よく言われるのが「こしょく」です。この「こしょく」には、
「個食」(フードコート式。それぞれが食べたいものを食べる)
「孤食」(子どもが一人でぽつんと食べる)
「固食」(顎の力が弱く、固いものが食べられない)
「小食」(一回で食べられる量が少ない)
「濃食」(味付けの濃いものを好む)
「粉食」(小麦粉を使った食事)
などが挙げられます。時代に合わせて食事も多様化しているのですが、心と体の成長を考えると、私は、子どもに食を選ぶ癖をつけるという事を実践するようにしています。
そして、私が大切にしているのが食を通じて日本の文化を伝え、豊かな心を育てること。あくの強い春野菜で、四季の生命力を感じ、日本の歴史や文化を体験しながら学んでいくようにしています。
お受験という面で考えると「春の野菜は、なんですか?」という問題も出てきますよね。小学校受験などは、親が教えられることも多いので、食事を通じて学ぶことも大切だと思います。
こうお話しされた中原先生に、実際に小学校受験を控えているお母さまから「子どもとの食事中は、ついつい受験問題を絡めた会話ばかりしてしまうのですが、それはあまりよくないのでしょうか?」という質問がありました。
中原先生によると、「お子さんが楽しんでいれば、いいと思います。塾の座学で学ぶのではなく、体験を通じて学ぶという事で、お子さんの学習意欲が高まることもあると思います」との事でした。
今回のセミナーでは、お嬢様の中学受験を通じて、中原先生が実際に感じたことや実践されたことをたくさんお話しいただきました。
食育についてだけでなく、子どもの性格ややる気に合わせた塾の選び方、受験生ではない「下の子」のケアの仕方、家族だけでなくお友達家族のサポートの重要性、受験期の習い事についてなどもお話しされました。
参加者との意見交換の時間もあり、みなさんの貴重なお話を伺うことができました。
今回のセミナーを通じて感じたのは、「受験は、家族の共同作業」であるという事。取り組み方次第では、家族全員に大きなプレッシャーとストレスを与えるものになってしまうと思います。
日ごろから家族とのコミュニケーションを大切にして、自分の家族のスタイルに合わせた受験対策を実践することが、受験を乗り切る一番の力になると思いました。
<参考>
食育・料理研究家 中原麻衣子先生
クリエイティブディレクター。GUCCI、CHANELの日本法人勤務を経て独立。現在は、ファッション、ビューティー、子育てなどライフスタイルのコラム執筆、国内外ブランドPRコンサルタントを始め、メディアや企業スタイリスト、企業セミナー講師、PRモデルなどを行う。プライベートでは、ブラジル人の夫とインターナショナルスクールに通う娘の3人暮らし。主な取得資格として、学芸員資格、中学2種美術教育免許状などがある。https://www.karenstyle.jp