年長ママ必見! 5歳の秋は男の子の鍛えどき
小学校入学まであと半年。受験をする・しないに関わらず、年長の秋をどう過ごすかで、男の子の意識と態度がまったく変わってくるんだそう。
男の子の子育てに定評のある伸芽会の飯田先生に詳しくお話を伺いました。男の子のママ必見です!
1960年福井県生まれ。早稲田大学政治経済学部在学中に伸芽会の創立者・大堀秀夫と出会い、入社。子どもの目線に寄り添い子どものやる気を引き出す人気教師として男の子の指導に定評があり、これまで3,000人以上の教え子を難関校へと導く。著書に『9歳までの男の子の育て方』(世界文化社)。本サイトのYoutubeチャンネルであるSHINGA FARMちゃんねるへレギュラー出演中の他、AERA with Kisds+、朝日新聞 DIGITALなど多くのメディアにも取り上げられるなど、幼児教育業界の第一人者として活躍中。
目次
夏合宿を経た男の子が秋に別人になるわけ
小学校受験を控えた年長さんたちと、2泊3日の夏合宿に今年も引率者として参加してきました。この合宿の主な課題は「ルールを守った集団生活がきちんとできるか、身の回りのことが自分でできるか」。
女の子は意識が高い子が多いので大半がそつなくこなしますが、男子はそうはいきません。身の回りのことが思うようにできない→遊ぶ時間がなくなる、ここではじめて「いつもはママがやってくれていたんだ!」と気がつきます。そして、周りに自分よりもできる子がいるということも目の当たりにします。
この「自分ができていない!」という体験が男の子の意識を変える大きなきっかけになるんです。丸1日以上ママと会えない合宿を体験したことで「やるしかない!」というスイッチが入り、合宿を終えた男の子たちは家に帰ってから「まるで別人のようにしっかりした」と言われることが多いのです。
さらに、先生など親以外の大人と密接な時間を過ごすことで本当の信頼関係が生まれます。「ママやパパとやり方が違う大人がいるんだ」という家以外のルールややり方があることを学ぶのも、就学に向けては大事な要素になってきます。
このような自立体験をぜひ年長の夏~秋にさせてみてください。見違えるほどたくましくなって帰ってくるはずです。
「待てないママ」になっていませんか?
先ほどの合宿でも多いのが、特に男の子は「片付けや身の回りのこと=ママの仕事」と思っている子が多いこと。これは男の子特有の甘えもありますが、ママ自身も自分でやった方が早いので、つい手を貸して片付けしてしまうという場合が多いです。
忙しい朝などは難しいときもあるでしょうが、「早くして!」とイライラせずに「できるまで待つ」ことも男の子を伸ばす大きなきっかけになります。
将来一人暮らしをしたときに、何もできないではこれからの時代は通用しませんからね。
そろそろお手伝いの「出来栄え」を気にしよう!
年長さんともなると、家の中でもさまざまなお手伝いができるようになる頃。でも、「やってくれてありがとう!」と単純に褒めていいのは4歳まで。
5歳になったら、ママと同じように食器が拭けるか、洗濯ものが美しくたためるかといったお手伝いの「出来栄え」も気にしましょう。一人前として認めてもらったという新しい達成感が味わえるはずです。「さすが!もうすぐ小学生だね」とその気にさせながら、いろんなことに挑戦させてみてください。
年長の秋はパパの出番!「男のカッコよさ」を息子に見せるべし
小学校の登下校で傘を振り回す、元気(?)な男の子たちを見たことがある人も多いでしょう。男の子は女の子に比べて、人の目を気にしない傾向があります。子どもらしくて可愛いのですが、外で危険を判断できないと小学生になってからの登下校が心配ですよね。
そこで効果的なのが、年長のこの時期にパパやおじいちゃんが「男のカッコよさ」のお手本を見せてあげること。パパがママの荷物を持ってあげる、おばあちゃんの手をひいて横断歩道を渡る、キャンプで火をおこす…些細なことでもいいので、「パパって素敵!」「男ってカッコイイ」と思わせる体験を息子さんと一緒に、見られているという意識を養ってください。
運動会に発表会、秋の行事で頼られると伸びる!
年長の秋から冬にかけては卒園に向けた行事も多くなる時期。運動会のリレーやマラソン大会で活躍したり、発表会で大役を任されたり、準備や後片付けで重いものを持ったりと、男の子がちょっと頼られたり、目立つチャンスが巡ってきます。
ここで「〇○君しっかりしたよね」と先生や周りの大人たちに褒められる体験は、これから小学生になる上でとっても自信につながります。
いかがでしたか? 自立に向けて「ママ以外のフィルターを持つというのが大事」という言葉が印象的でした。つい、できないわが子に何でも手を貸してしまいがちですが、成長のためにぐっと我慢が必要な歳になってくるんですね。