カリスマ保育士・てぃ先生に聞く!【前編】叱らない子育てとは?ママのリアルなお悩みに答えます!
ツイッタ―で37万人以上ものフォロワーをもつカリスマ保育士、てぃ先生へのスペシャルインタビューが実現しました!
前編「叱らない子育てとは? ママのリアルなお悩みに答えます!」、後編「先生が思う理想の保育とは?」。目からウロコの保育術から知られざるてぃ先生の誕生秘話まで、ボリューム満点でお届けします!
てぃ先生(保育士)
園児たちの日常の言動を発信したツイッタ―が話題となり、今ではフォロワー37万人! 書籍『ほぉ…、ここがちきゅうのほいくえんか』(KKベストセラーズ)、漫画『てぃ先生』(MFコミックス フラッパーシリーズ)も発売中。
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目次
ママたちのリアルな悩みにてぃ先生がアドバイス!
てぃ先生は、ここ数年、保育士として働いている最中に子どもを叱ったことが一度もないんだそう! 一体どんな風に子どもと接したらそんなことができるの? そんなママが気になる子育てにまつわる素朴な8つの疑問に、現役保育士である、てぃ先生ならではの視点でとっても丁寧に答えてくれました。
Q1:イヤイヤ期がいっこうにおさまりません。親はどう対処すべきでしょうか?ついイライラしてつい怒ってしまうんです。 (2歳 女の子のママ)
A1:イヤって言うんだろうなとあらかじめ身構えておきましょう!
イライラの原因は、《子どもに対する大人の期待》だと思います。
・お片づけをしてね、と伝えればその通りにすると思ったのにしなかった
・外出するので靴を履くように伝えたのに、なぜか履かなかった など
親は、あらかじめ“「イヤ」って言うんだろうな”と身構えておく方が、気持ちにゆとりが生まれ、意外とすんなり行動してくれた時に嬉しくなるものです。
イヤイヤ期の子どもは、《何でも自分でしたい、何でも自分でできる》と思っているという特徴があります。特に大人がやっていることにチャレンジしたい気持ちが強い。大人が危ないな、見ていられないな、と思うようなことこそやってみたいんですね。
ならば、これを逆手にとって、「これはママしかできないことなんだけど、やってみる?難しいんだよ~できるかな?」といって、非常に簡単なことを頼むのはいかがでしょうか?
例えば、100均で売っているようなプラスチックのお皿を3枚ほど用意して、洗う必要もないけど洗っておき、「これ拭ける?ちょっと難しいよ〜できるかな?」などと言ってお願いをする。そうすると子どもは「できる!」と張り切ってやってくれることでしょう。
「ママ(大人)にしかできない」「難しい」こういったワードがイヤイヤ期の子どもにとっては大好物です。
そして、こういった《成功の経験》を重ねていくことで子どもは自分に自信をもちます。そうすると、いろんなことに興味をもち、皆さんがよく気にされる自発性や社会性に結びついていくのです。
Q2:好き嫌いが多い、遊び食べが多い息子。いつも食事のときに「早く食べなさい」を連呼してしまいます。何かいい方法はありますか? (3歳 男の子のママ)
A2:怒らない、片付ける、時間を決めるのがポイントです!
そもそも、遊び食べというのはマナー上は良くないことですが、成長といった意味では決して良くないことではありません。一見、ただふざけているように見える遊び食べでも、その中で子どもはいろんなことを学んでいます。それを前提とした上で対策をするならば…
・怒らない
先述した通り、成長上はむしろ良いことでもあります。「ダメでしょ!」「さっきも言ったでしょ!」というのはNGです。抑制されてさらに悪化する可能性もあります。
・大人が片付ける
「拾いなさい!」と子どもに掃除などをさせなくて良いです。むしろ、大人が率先して落ちたものを片付けましょう。
ただ、その際に“悲しそうな顔”や“ちょっと不機嫌な顔”をしてみてください。直接言葉で叱られるより、大人の表情をみて「あれ?いつもと違う」と考えさせる方が効き目はあります。
・時間を決める
いつまでも食べ遊びをしていたのでは食事が終わりません。あらかじめ時間を決めておいて、それを過ぎたら片付けましょう。もちろん「もう食べないかな?」と聞いた上で、です。
《全て食べる》ということにこだわっていると、なかなか上手くいきません。途中で切り上げるという手もあるんです。
Q3:パパに子どもを預けると、子どもはDVD、自分はスマホ。それって育児してない!とママ的には思うのですが、パパが上手に子どもと遊ぶコツってありますか?(3歳 女の子のママ)
A3:難しく考えずに、ただ走り回ればいいんです(笑)!
子どもにとってはそれが楽しい時間だったりするので、詳しい状況はわかりませんが、それが必ず悪いとは思いません。ママとの時間、パパとの時間、子どもながらに区別しています。
パパはママに比べると、普段子どもと接する機会が少ないもの。だから、何をして良いのかわからないことがほとんどです。普段ママが子どもと何をしているのか、子どもがどんなことに興味を向けているのか、この辺をよくお話しておくと、パパも子育てに入りやすいと思います。
一番簡単なのは、やはり体を動かすことですね。かけっこしているだけでも子どもは喜びます。難しく考えず、ただ走り回る。そこから始めてみたらいかがでしょうか?
Q4:お片付けが本当に苦手なわが子。注意すると「だってーママが―」と何かにつけて言い訳をします。うまく仕向ける方法はありますか? (4歳 男の子のママ)
A4:大人が率先して片付ける姿を見せてみて!
簡単に子どもがお片付けをするようになる方法があります。
それは、《大人が片付けること》です。子どもが遊んで片付けなかったものでも、大人が率先して片付けましょう。そして、その際には「あ、おもちゃ落ちてる。片付けようっと」などと言って、大人が片付ているところを子どもに見せましょう。大人が当たり前にやっていることは、子どもにとっても当たり前になります。「片付けなさい」という前に、大人がそのやり方を見せてあげるのが最も簡単です。
あとは、片付ける場所をわかりやすくしてあげることも大事です。カテゴライズしたい気持ちはわかりますが、初めはあまりいろんなカゴにわけず、おもちゃBOXとして1つ用意して、そこに入れるようにしてあげると子どもの片付けは非常にはかどります。
Q5:てぃ先生が子どもを「天使!」っと思ったきっかけと、とれたてエピソードを教えてください(いつも癒されています)。また、そういう風に脳を変換できるコツってありますか? (4歳 女の子のママ)
A5:子どもが悪意をもって何かをするなんてことはないんです!
子どもって何してても可愛いです!息してるってだけで可愛い!(笑)
急に抱きついてきて「すき!」なんて言われたら、もう「なんなんだこの天使は!」ってなっちゃいます。
子どもが悪意をもって何かをするなんてないと思います。何事も良かれと思って、興味をもって、それをしているんです。だから、イライラすることも怒ることも必要なくて、子どもと一緒にその経験を共有すること、これが大事だと思います。
Q6:先生は子どもを叱るときはありますか?(想像できません!) またそれはどういう時ですか?(2歳 女の子のママ)
A6:表情や態度だけでも子どもは十分理解できます!
僕はここ数年子どもを叱ったことがありません。よく「嘘だ!」なんて言われるんですけど、本当に叱ったことがないんです(笑)。叱らないで、子どもも大人も嫌な気持ちにならないで物事を伝えられたら、それが1番ハッピーだと思っています。
表情や態度だけでも子どもは十分理解できます。それも、怒っている顔をするのではなくて、悲しい表情をすると子どもが「あ、なんだか悲しそうだな」と自分で反省することができます。
その場で解決しようとすると上手くいかないことも多いし、伝わらないことも多いです。多少時間をかけてでも、本当の意味で理解をしてくれるようにすることで、長い目でみればよっぽど大人の負担が軽くなります。
Q7:先生が日頃の保育で心掛けていることはどんなことですか? (1歳 男の子のママ)
A7:子どもの成長の先、つまり未来を見てあげることです
子どもの未来を見ること。未来といってもそんなに遠いものばかりではなく、10秒後、5分後、3日後、1週間後くらいです。これをしたらどうなるかな?この言葉がけをしたらどう思うかな?そんなことを常に考えると、場当たり的ではなく、先を見据えた保育ができるようになります。子どもの成長を後追いしているようではダメなんですよね。
「そろそろこれができるようになるから、こんな準備をしておこう」「これができればあれもできるな」と子どもの成長の先、つまり未来を見てあげると非常に充実した日々になります。
Q8:働くママたちを見て先生が「思うこと」、また「もっとこうしてあげて欲しい」などお願いしたいことがあったらアドバイスお願いします。(4歳 女の子のママ)
A8:ぜひ、胸を張って仕事をしてください!
「子どもがかわいそう」など、そういったことはあまり気にせずに堂々と働いてほしいと思います。「ママはこんなにお仕事がんばってるんだよ、えっへん!」と威張っちゃうぐらいに。後ろめたい気持ちでいるママを見るより、自信満々で明るいママを見る方が子どもが不安にならずにいられます。パパも同じです。時代は変わるもので、今や共働きは当たり前。ぜひ、胸を張って仕事をしてください!
いかがでしたか? さすが保育のプロ! 普段のてぃ先生の楽しいつぶやきとはまた別の顔をのぞかせてくれました。
「イライラの原因は、《子どもに対する大人の期待》」という言葉にはっとさせられてしまいました。「子どものすることに悪意があることはない」ということを忘れずに、出来る限り子どもの目線で物事を考え、子どもと一緒に経験を共有していけたら理想的ですよね。後半もお楽しみに!
※「カリスマ保育士・てぃ先生に聞く!」後編はこちら