令和の小学校受験に役立つ習い事とは? 幼児教室のプロが語る!
「小学校受験にはどんな習い事が役立つのか」というキーワードも検索されています。そこで今回は、伸芽会教育研究所3名の先生方に、小学校受験×習い事というテーマでお話を伺ってみたいと思います。
目次
小学校受験に「体操」「絵画」「ピアノ」は役立つの?
__小学校受験を目指す方たちはどんな習い事をしていますか?
飯田先生:「これを習えば合格する!」という習い事はもちろんありませんが、やはり昔から「体操」「絵画」「ピアノ」あたりに通われている方は多いですね。これらに加え、最近ではバレエやサッカー、水泳なども人気だなと感じます。
牛窪先生:絵画は小学校受験の最難関とされる慶應義塾幼稚舎で出題されますから、そこから小学校受験に役立つ習い事という印象がついたのかもしれませんね。幼稚舎に限らず他にも絵画や制作の試験を取り入れる学校がありました。ただ、小学校受験対策の絵画教室はアートとしての個性や画力を上げるということが目的ではなく、あくまで自分の意見や考え等々の表現方法の一つとして絵画のスキルを学ぶというイメージだと思います。
麻生先生:受験の課題に直結する習い事と言えば、体操も同様です。集団テストで運動課題が出る学校は多いのは事実ですし。加えて、ボールつきや縄跳びなどはお家で練習できても、マットや平均台、サーキットの器具などはほとんどのご家庭にはないですし、設備が整った広い場所でさまざまな運動能力をアップさせるという意味では、小学校受験をする・しないにかかわらず子どもにとって役立ちますから、体操が人気なのはわかる気がします。
飯田先生:その点ピアノは試験には出ないですけど、昔から楽譜を見ながら両手を動かすピアノは脳に言いと言われていますし、東大に多くの合格者を排出している開成中学・高校では男子校ながらも授業でピアノがあったりしますからね。ピアノ=頭がよくなるというイメージが昔からあるのでしょうね。小学校受験に役立つかという点では、問題を解いたり考える中でもリズム感は非常に重要ですから、それが身に付くという意味では役立つ習い事だと思います。
親がさせたいVS子どもがやりたい習い事が違うとき、どうすればいい?
__幼児期の習い事は、親がさせたいものと子どもがやりたいものが違う事が多いと思います。その場合、どうやって決めればいいのでしょうか?
麻生先生:親は先を見据えて子どもに必要な力を身につけさせたいと考えるので、「体を鍛えるために体操をやらせたい」などと考えますが、子どもは第一印象で「今やりたいこと」を考えます。例えば「楽しそうだからサッカーをやりたい」「お友だちがやっているから私もバレエをやりたい」など。その場合、やってみたら実は楽しくなかったり、お友だちがやめてしまったら自分もやりたくなくなる、ということもあるはずです。
ではどうやって決めればいいか。私は可能であれば、親がやらせたいものと本人がやりたいもの両方をさせてあげるのがいいと思います。どちらもやってみないとわかりませんが、本当にやりたいこと(続けたいこと)は、どんな習い事でも自信につながります。もし、どうしても親がさせたい習い事があるのであれば、本人がどうしたらやる気になるか、楽しいと思えるかお子さんの立場になって工夫して働きかけていきましょう。将来、「やっていてよかった!」と思えたら大成功ですね。
習い事の最終目標は自信を持つこと!指導者選びも意識したい
__同じ習い事でもさまざまな教室がありますが、小学校受験に役立てる場合、どんなことに気をつけて選べばいいでしょうか?
牛窪先生:まさに、小学校受験において、習い事は「自信を持つこと、持たせる事」が最終目標だと思います。絵を描いて上手だねと褒められる、サッカーのドリブルスピードなら負けない!など。指導者に「その子のいいところを褒めて伸ばす」という意識があるかどうかが重要だと思います。そうではなくて、大会に勝つことを目的とする指導者だと「何秒で走れないとダメ」など評価になりがちで、自信を持つのは難しい場合があります。ですから、親御さんは体験の際にそういった観点で見られるといいと思います。
ちなみに、暁星小学校はサッカーを授業にも取り入れている学校として有名ですが、その理由は実はチームワークの一環。上手か下手かではないので、エースストライカーが欲しいのではなくて、誰かがパスミスしたボールも、一生懸命追いかけられる子が欲しいのです。
継続できる習いごとが1つでもある子は強い!
__子どもは体験に行くとなんでもやりたいと言いがちです。小学校受験をする上で、習い事を続ける目安はありますか?
飯田先生:幼児はまだ得意不得意も分からない時期ですから、まずはいろいろやらせてみるのもいいでしょう。ですが、大事なのはどれか1つでも長く継続すること。そうすることで、自信につながり挑戦したいという気持ちが強くなり、入試にもいい結果を生むことが多いです。反対に、どんな習い事もすぐやめてしまって続かない子は、小学校受験でも難しい課題をすぐに諦めてしまうタイプかもしれません。
入試直前期に習い事を休むか辞めるかもよく聞かれる質問ですが、一時期だけ休んで合格した後に復活した習い事が本当にやりたいことなんだなと思います。もちろん、その子にとってその習い事をどうしてもやめたくないという場合は無理なく両立できるのであれば続けてもOK。実際、入試本番の前の週に水泳の大会があって、どうしても出たいというお子さんがいました。結果、試験も合格し大会でも入賞していました。
小学校受験では何かをやり抜く力という非認知能力はとても大切です。本人にやりたい気持ちがあって、無理なく続けられる習い事に出会えたら、その気持ちを尊重してあげてください。結果論ですが、そういうものがあるお子さんは、受験でもいい結果を出しているように思います。
【まとめ】
・絵画や体操など、受験に直結する習い事は人気がある
・どんな習い事でも本当にやりたい(続けたい)ことが自信につながる
・自信を獲得するためには、褒めて伸ばしてくれる指導者がいるかもポイント
・継続できる習い事が1つでもある子は受験本番にも強い!
1960年福井県生まれ。早稲田大学政治経済学部在学中に伸芽会の創立者・大堀秀夫と出会い、入社。子どもの目線に寄り添い子どものやる気を引き出す人気教師として男の子の指導に定評があり、これまで3,000人以上の教え子を難関校へと導く。著書に『9歳までの男の子の育て方』(世界文化社)。本サイトのYoutubeチャンネルであるSHINGA FARMちゃんねるへレギュラー出演中の他、AERA with Kisds+、朝日新聞 DIGITALなど多くのメディアにも取り上げられるなど、幼児教育業界の第一人者として活躍中。
「習い事」何をいつまで続ける?習い事の「やめどき」問題
SHINGA FARM(シンガファーム)編集部が執筆、株式会社 伸芽会による完全監修記事です。 SHINGA FARMを運営する伸芽会は、創立半世紀を超える幼児教育のパイオニア。詰め込みやマニュアルが通用しない幼児教育の世界で、毎年名門小学校へ多数の合格者を送り出しています。このSHINGA FARMでは育児や教育にお悩みのご家庭を応援するべく、子育てから受験まで様々なお役立ち情報を発信しています。
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