東大卒ママが紹介する、幼児の【自宅英語学習】と【英語教室】を選ぶポイント
前回の記事で、自宅で簡単にできる親子英語の始め方について書きましたが、今回はもう少し踏み込んで「具体的におすすめの絵本や教材」「英会話教室とオンライン教室を選ぶ基準」などについてご紹介します。コロナや寒さでおうち時間が増えた今、この記事をきっかけに、少しでも親子の時間を楽しんで頂けたら幸いです。
目次
絵本の読み聞かせは学習の基礎。年齢別おすすめ英語絵本
【0~1歳】まずは色や形、身近なテーマから
前回の記事でもご紹介しましたが、英語絵本の導入におすすめなのが、絵が大きく読みやすいボードブックタイプ。例えば、『はらぺこあおむし』でお馴染みのエリック・カールによる“Brown Bear, Brown Bear What Do You See?”は、たくさんの色鮮やかな動物が登場し、リズミカルに読めて、子どもの注意を惹きやすい一冊です。
また、“First words”とタイトルに付くボードブックは、絵とそれを表す英単語を中心とした内容で、身の回りの英単語を知るきっかけになります。種類が豊富なので、気に入ったものをシリーズで、動物、数、反対語などのテーマで集めるのもおすすめです。
【2~3歳】 簡単な短い文で
英語の音に慣れ、少しずつ単語を認識するようになったら、よりストーリー性のある絵本を読んであげましょう。可愛い子ブタの女の子を主人公とし、家族や友人との日常生活を描いた“Peppa Pig”シリーズは、ボードブックから卒業するときの一冊としてもおすすめ。
また、現地の子どもたちに多く読まれている“Step into Reading”は、幼児が読みやすいようレベル分けされ、子どもが大好きなディズニーなどのキャラクターのお話が多いです。英語の文に触れ始めた時期であれば、Step1が良いでしょう。
【4歳以降】 だんだんと長めのお話にチャレンジ!
簡単なお話を理解できるようになったら、少し長めの絵本にもチャレンジしてみましょう。アニメでも放映されている“Curious George”シリーズや、【2~3歳】でご紹介した“Step into Reading”のStep2以降は、程良い長さです。
また、『ぐりとぐら』や『バムとケロ』など日本語絵本が英語化されたものは、日本語版との読み比べもできて楽しいです。
馴染みのあるタッチの絵やキャラクターは、子どもも興味を持ちやすいもの。お子さんのお気に入りの一冊を見つけたら、同じシリーズや作者の絵本を選ぶのもおすすめです!
その他の英語学習教材とおすすめの使い方(レベル別)
レベル1:まずは耳を鍛えよう!言葉のシャワーをたくさん浴びせて
前回の記事にも書きましたが、特に幼少期には耳を育てることが大切です。英語を聞き分ける力は生後6〜8ヵ月頃には備わっていると言われていますから(※)、朝起きた時や日中遊んでいる時などに英語の歌をかけ流し、日常的に英語を聞ける環境を作ってみましょう。前回ご紹介した“nursery rhymes”の他、新星出版社の『頭のいい子が育つ 英語の歌45選』というCDがおすすめ。選曲が良く、付属の絵本にかわいいイラスト付きで歌詞も載っており、我が家では0歳の時に購入し、4歳を過ぎた今も楽しんでいます。
レベル2:絵本の理解度が進む!楽しく学べる英単語カード
0歳の時から使えて長く楽しめ、日常生活に取り入れやすいのが英単語カード。今回ご紹介したいのが、トレンドスキル社のフラッシュカードです。写真やイラストと文字が表面に書かれているカードで、名詞・動詞・形容詞と様々なシリーズがあります。少し年齢が上がったら、数枚を並べてカルタのように遊んでも楽しいと思います。単語の意味が分かってくると、絵本の理解度もグンと増しますので、読み聞かせもますます楽しくなるでしょう。
レベル3:英語が苦手なママパパでも大丈夫!オススメ教材
私たちの開催するオンライン講座でも「自分の発音に自信がありません」というご相談が多々あります。そんな方にもおすすめしたいのがタッチペン付き英語絵本です。絵本をペンでタッチすると単語を発音してくれますので、発音に自信の無い方でも安心して使って頂けるのではないでしょうか。数社からいろいろな種類のタッチペンが出ていますので、お子さんの好きなキャラクターなどを選ばれるのが良いかと思います。
月齢が上がってきたら、オンラインツールの「英検オンラインJr.」もおすすめ。ゴールド・シルバー・ブロンズの3種類のレベルがあり、単語から始まり、基本的な挨拶から簡単な会話、物語のリスニングなど段階を経て学べるようになっています。ゲームやキャラクターなど子どもの好きな要素が豊富なのも魅力的。1日無料体験もありますので、お試しされてみてはいかがでしょうか。
レベル4:英語に慣れてきたらwritingにもチャレンジ!
簡単な英語の文を理解し、お子さんが英語を書くことにも興味を持ち始めたら、writingにチャレンジさせてみるのも手だと思います。アルファベットの練習は退屈だという場合におすすめなのが、アメリカの学校でも使われているScholastic社の“100Words kids need to read by 1st grade”というワークブック。オールカラーイラストで、迷路や塗り絵などを含むため、未就学児のお子さんでも楽しく学べると思います。また、このワークブックでは、同じ単語やフレーズが繰り返し出てくるので、単語やフレーズを覚えるのにも効果的です。
やる気を削がない、間違えた時の対応法は?
英語時間に「お勉強要素」が増えたときに気をつけたいのが、子どもを英語嫌いにさせないこと。お子さんが間違えてしまっても「どうして同じところで間違えるの!」なんて言葉はNG。できたところを大げさなくらいに褒め(Very good! Great job!と英語で褒めるのもおすすめ!)、間違えたところはヒントを与えながら、解けるよう誘導してあげましょう。成功体験が増えると、ますます英語が好きになり、自主的に学んでくれるようになるはずです。
ご紹介した英語の絵本や教材は、書店やネットで手に入れることができますし、絵本については、図書館を活用するのも手だと思います。(画像はすべて著者私物)
英語教育は自宅学習で十分? 英語教室(オンライン英会話含)を受講する意義
自宅で英語を学べる絵本や教材をご紹介しましたが、では、英語教育は自宅学習で十分なのでしょうか。さまざまな考え方があると思いますが、自分の子どもを英語教室に通わせる私たちは、下記のような点を英語教室に通う意義として考えています。
① (親以外の)綺麗な生の英語に触れさせられる
② たくさんの子どもに教えた経験・ノウハウを持つプロから体系立てて効率的に教われる
③ (グループレッスンの場合)他の生徒から刺激を受けられる
④ 親の負担が減る
英語教室に週1などで通う場合も、少しずつでも毎日自宅で英語に触れ続けることは、英語の上達において大切だと思います。プロのレッスンを挟むことで、自宅での英語学習もよりメリハリのあるものになるのではないでしょうか。
英語教室に通うなら対面orオンライン? 英語教室を選ぶときに意識したこと
英語教室に通わせる意義の特に①~③に関しては、どんな教室に通わせるかが重要になります。最近は、対面だけでなく、時間を気にせず自宅から受講できるオンライン英会話も含め、英語教室が豊富にあります。英語教室を選ぶ基準は、ご家庭の状況やお子さんの性格などに応じて様々かと思いますが、私たちが教室を選ぶときに意識したことを一例としてご紹介します。
(1)対面の教室に通わせるaiの場合
オンラインでなく、対面の教室を選んだ一番の理由は、「子どものモチベーションを上げるため」でした。オンライン英会話もいくつか試しましたが、集中力が途切れ画面から消える、パソコン操作に関して親の助けが必要、下の子が邪魔をする、といったことが起き、続けるには至りませんでした。
わが家の場合は、子どもが仲間と頑張ることにモチベーションを感じるタイプだったこと、また、ある程度英語で会話できるようになってから通わせ始めたので、「英語を楽しむ」ことに加え、簡単な構文や読み書きも身につけて欲しかったことから、①先生がネイティブ、②同世代の子どもとのグループレッスン、③会話、読み書き、ゲームなどのお楽しみをバランスよく取り入れていること、を基準に教室を探しました。まだ4ヵ月ほどしか通っていませんが、一緒に頑張るクラスメートの存在を意識し、出される宿題に取り組み、最初はたどたどしかった読み書きが上達したと思います。
(2)オンライン英会話を受講させるyuuの場合
私の場合は、ほぼ毎日ワンオペで育児としていること、週の半分はフルタイムで働いていること、すぐ近くに良い教室を見つけられなかったこと、という条件があり、3歳後半からオンライン教室を探し始めました。その際意識したのは、①先生の発音(ネイティブかどうか)、②先生のレッスンに対する取り組み(盛り上げ上手か、授業のテンポは良いか)でした。オンラインという対面教室ではない分、色々な先生とお話できる機会が多いのはメリットだと思っていますので、できるだけアメリカ・カナダ・イギリス・オーストラリアとさまざまな国の方にレッスンをお願いできるような環境が整っているところを選びました。わが家は「Cambly Kids」というオンライン英会話を週2回受講しています。自宅にいながら空き時間で世界中と繋がれるのは、現代ならではの学習法だと思いますので、しばらく続けていきたいと思っています。
終わりに
小学校でも英語教育が早期化し、子どもに英語を学ばせたいと考える方は多くいらっしゃるかと思います。もちろん、子どもの英語力が向上したら、それは嬉しく素晴らしいことだと思います。ですが、親としては、「英語はあくまでコミュニケーション手段の一つ」であることを忘れないことも大切です。特に幼少期には、無理に単語や文法を覚えさせるようなことは避け、選択肢や世界観を広げてくれるコミュニケーション手段として、親子で楽しく英語の面白さに触れてみてはいかがでしょうか。
※Kuhl K Patricia.: “Early Language Learning and Literacy”. Neuroscience Implications for Education,
Mind, Brain and Education. Vol. 5, Issue 3: 2011, pp. 128-142
プロフィール
ai
5歳男の子と3歳女の子を育てるワーママ。自身も子どもも帰国子女で、米国では英語教授法の資格を取得。週末、子どもと外で体を動かし遊ぶ時間が大好きです!
yuu
4歳の男の子を育てるワーママ。朝の30分を活用して子どもとの知育時間を楽しんでいます。インスタグラムでは、すきま時間にできる知育遊びやワーママライフを発信中(https://www.instagram.com/punyuugram/?hl=ja)
著者プロフィール
東大卒ママの会
東京大学卒業(2011年~2012年度)の現役子育てグループ。主要メンバーは7名。東大OBOGたちへのヒアリングやアンケートを基に「東大生の幼少期の習慣」を分析し、現役ママの目線も取り入れて、“今すぐできる幼児教育”の実践方法を提案している。著書に『東大脳を育てる3歳までの習慣』(小学館)がある。SNSでも実践中の知育や自分たちの経験談を発信中。
https://www.instagram.com/todaimoms/
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