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小学校受験で問われる「行事食」、家庭で意識したい子どもへの伝え方

小学校受験で問われる「行事食」、家庭で意識したい子どもへの伝え方

子どもにおうちでの食事の様子を聞けば、その家庭の雰囲気がわかるといいます。そこで、今回は、小学校受験において問われることが多い食育の中でも、「行事食」をテーマに、伸芽会の麻生先生にお話を伺いました。家庭で意識するといいことなども、ぜひ参考にしてみてください。

「行事食」の意味とは?

__「行事食」とはどんな食事のことを意味しますか?
行事食とは、日本で昔から伝わる行事やお祝いの際に口にするもの。小学校受験で問われる代表的な季節の行事と行事食は以下があります。

春:桃の節句(ひし餅、ひなあられなど)、端午の節句(柏餅)
秋:十五夜(月見団子)
冬:お正月(雑煮、おせち料理)

「行事食」の意味とは?
ちなみに、ひな祭りのひし餅の3食の色や位置にはちゃんと意味があるかご存じですか?
諸説ありますが、込められた願いとしては桃色が「魔除け、先祖を尊ぶ」、白が「子孫繁栄、健康」、緑が「魔除け、健康」を意味しているとされています。さらに、並び順にも意味があって、下から「緑・白・桃色」の場合は、大地(緑)に雪(白)が残り、木には桃の花(桃色)が咲いている情景を表し、下から「白・緑・桃色」の場合は、雪(白)の中から新芽(緑)が顔を出し、桃の花(桃色)が咲いている情景が表現されているそうです。

小学校受験では「行事食」や「食育」の課題で何を見ているか

__なぜ小学校受験で行事食が問われるのでしょうか?
まず、小学校受験は生活から得る学びが基本となっています。そのため、生活と密着した行事や行事食が出題されやすいということです。さらに、学校側は日本文化でもある季節の行事を家庭の中でどのように取り入れ、伝統的なものの継承行事を通して、感謝する心を大切にしているご家庭であるかを見たいと考えています。親としては、行事食を通して、そういった願いをわが子にどう伝えているかがこのような課題から見えてきます。
もちろん、年に1回しか経験しない行事では、一度聞いただけで覚えられないかもしれませんが、毎年言い続け家族で味わうことで定着していくものです。最終的には大人になったときに次の代に伝えていけるといいですね。

小学校入試の一例ですと、「鯉のぼりの絵が左側に描かれてあり、左の絵と仲良しのものを右の絵から探しましょう」などと言う常識の課題が出たこともありました。

行事食を家庭で行う際に意識したい3つのポイント

__家庭ではどんなことに意識して行えばいいのでしょうか?
その1 手軽なキットやイベントで行事を体験する
共働きのご家庭も多い今、すべての行事食を実践するのは大変です。七草粥などは手軽なキットもスーパーで購入できますが、マンション内で餅つきなどをするのはちょっと無理がありますよね。そういうものは地域やホテルなどで開催されている季節のイベントに参加して手軽に体験してしまうのもいいと思います。重要なのは、手作りかどうかではなくて、親御さんと一緒に楽しんで食べながら得た体験や、そこで話した会話の内容なのです。
その1 手軽なキットやイベントで行事を体験する 日本の伝統文化 餅つき[/caption]

その2 日々の食卓では旬を意識すること
さらに、今の時代は、ハウス栽培で年中食べられる野菜が増えたこともあり、食べ物の旬を知らない子が増えています。旬のものはその季節が一番栄養価が高く美味しいはずです。こここでも、受験のために「季節の野菜を育てなきゃ」「収穫体験をさせなきゃ」ではなくて、スーパーに一緒に買い物に行ったり、料理を手伝いながら旬を知るというのでもいいですね。親子で楽しみながら食卓の彩を豊かにしていきましょう。
その2 日々の食卓では旬を意識すること

その3 男女関係なく四季の行事を知ること
伸芽会の授業の中では性別に関係なく四季の行事は扱いますが、たとえば男の子しかいないご家庭では、お雛様を飾ったりしないので、ひな祭りはピンと来ないという子がいます(端午の節句も同様です)。女の子がいらっしゃらなくても、たとえばママの幼少期のお雛様のお話をしたり、絵本を読んだり、“ママも含めた女の子のお祝い”をするというのも素敵だと思います。
その3 男女関係なく四季の行事を知ること
ちなみに、今の子はお餅をあまり食べる機会がないので、お餅=お正月のお雑煮というイメージが強く、ひし餅(ひな祭り)、かしわ餅(子どもの日)、鏡餅(お正月)の区別が上手くできない子も多いです。ぜひその行事の季節と絡めて、行事食を味わってください。そして、「鏡餅はなんで丸いの?」「ひし餅はなんでひし形なの?」「なんで柏の葉で包むの?」など、疑問に思ったことを一緒に調べて、会話や知識を広げるきっかけにしてみましょう。

監修者:麻生尚子先生(伸芽会教育研究所次長)
幼児の発達に応じたきめ細かい指導により、保護者からの信頼も厚い。雙葉小学校をはじめとする女子難関校から共学難関校、幼稚園受験まで幅広い合格者を輩出。今回の絵本『やってみよう!』の監修者。

著者プロフィール

SHINGA FARM(シンガファーム)編集部が執筆、株式会社 伸芽会による完全監修記事です。 SHINGA FARMを運営する伸芽会は、創立半世紀を超える幼児教育のパイオニア。詰め込みやマニュアルが通用しない幼児教育の世界で、毎年名門小学校へ多数の合格者を送り出しています。このSHINGA FARMでは育児や教育にお悩みのご家庭を応援するべく、子育てから受験まで様々なお役立ち情報を発信しています。
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