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年齢別! 幼児期に「読解力」を伸ばすコツ〜東大生が実践してきた読解力を伸ばす習慣〜

年齢別! 幼児期に「読解力」を伸ばすコツ〜東大生が実践してきた読解力を伸ばす習慣〜

今何かと話題の「読解力」。読解力がないと国語の問題を解けないだけでなく、算数の文章題ですら“何を聞かれているのか分からない”ということになってしまいます。読解力は全ての科目の基礎なのです。そして読解力が伸びるということは、人の気持ちが分かるようになり、コミュニケーション能力が伸びるということにも繋がります。今日はその読解力を伸ばすために東大生が実践してきた習慣を、3つの時期に分けて紹介してみます。

文字が読める前は「絵本の読み聞かせ」で読書が好きな子に

ポイント① 絵本好きにしよう

読解力を伸ばすには、まず“読書が好き”なことが大前提です。私たちの著書『東大脳を育てる3歳までの習慣』にも載せている東大生257人へのアンケートでも、“幼少期特別なことはしてもらっていないが、絵本だけはたくさん読んでもらっていた”という回答が大多数でした。

ポイント② 絵本好きに育てるには

まずは赤ちゃんの頃から絵本と触れ合う習慣をつけるのが大切なのだと思います。東大卒ママたちに聞くと、自身の経験から図書館には1〜2週間に1回は行くようにしているそうです。

ポイント③ 絵本を読むときのコツ

それは音読の時に「助詞をはっきり発音する」こと。日本語は助詞1つで意味が全く変わってしまいますから、文字を読める前から助詞をしっかりと読む習慣を付けてあげると、その後の読解力に大きく影響が出てきます。

文字が読めるようになったら「絵本の読み方を工夫」して理解力を深める

ポイント① 1ページずつ読み合いっこして、絵本の内容を聞いてみよう

文字が読めるようになったら、絵本の右側をおうちの方、左側をお子さんなどと役割を決めて読み合いっ子するのがオススメです。文字が読めることと、内容が理解できることは全く別物。読み終わったあと、「主人公はどこに行ったのかな?」など質問をして内容を理解できているか確認してあげると良いでしょう。この時期から“いつ、どこで、誰が、何をした”のか意識して読めるようになるには、絵本を読んだ後の親子の会話の影響が大きいように思います。

ポイント② 自分で読める簡単な本、おうちの方が読む少し難しい本と2種類用意しよう

年齢が上がっていくと、理解度が上がっていくため、絵本の内容やレベルも難しくなりますが、“あえて自分で読める簡単な本も手元に置いておくのが読書好きにさせるコツ”だと東大生たちを育てた親御さんたちに聞いたことがあります。確かに文字量が増えたり、内容が難しくなったりすると「読んでもらうのは楽しいけれど、1人で読むのは大変だ」と感じるお子さんも多いはず(私もそうでした)。「自分で読める」→「楽しい」→「本が好き」→「もっと読みたい」のループを作り、読解力を伸ばすためには、簡単な絵本で小さな達成感を積み上げていくことが大切なのではないかと思います。

ポイント③ 絵がないページのある絵本にもチャレンジ!想像力を高めよう

読解力と想像力は相関関係にあり、想像する力があるからこそ内容が理解でき、内容が正しく理解できているから想像できるのだと思います。この2つの力を育てるには、絵が少ない絵本をたくさん読んでいくことかと思います。小学1年生向けの本は、絵も少ないけれどもページ数も多くないものがたくさんありますのでお手に取ってみて下さい。

小学生になったら本の内容を要約する「アウトプット」の練習を!

ポイント① 何が書いてあったかな? 要約して話す練習をしよう

お子さんが絵本を読んだ後に「何が書いてあったの?」と聞いてあげると、取りとめもなく話し続けるお子さん、「わかんない」としか答えないお子さん、さまざまだと思います。そんな時はまずは先ほどの“いつ、どこで、誰が、何をした”を順番に聞いてあげたり、「それで?」「次は?」と促してあげたりすると答えやすくなると思います。これを繰り返していると、本を読む時に“大事なことは何か”という視点で読む習慣がついてきます。そうなれば国語の“勉強”をすることなく読解力は伸びていくはずです。

実はこれ、私が幼少期からずっと母にされていたことでした。本の内容を一所懸命説明する私に母はいつも笑顔で付き合ってくれ、「上手に言えたね!次はもう少し簡潔にお話してみようか。」と優しく促してくれました。

多くの東大卒の友人らから、「漢文古文は勉強したけど、現代文は勉強したことなかったよ。読書が習慣だったし、親と本の内容についてよく話したりしていたから、読解で困ることはなかったなぁ」という言葉を聞きます。

①親子の会話の中で
②子どもが自分の言葉で
③本の内容を要約して
④説明する

この4ステップが読解力を伸ばす大きな習慣なのではと強く感じています。

ポイント② 絵本を2冊用意して、お互いに絵本の内容を発表しよう

ポイント①の方法でうまくお子さんの会話を引き出せないという方には、お互いに発表して伝え合う方法がオススメです。お子さんのレベルに合わせた本を2冊用意してそれぞれ読んでみて、お互いに絵本の内容を発表する。そして今度は絵本を交換して読んでみる。そうすることでお子さんは、おうちの方の発表方法を聞いて伝え方の真似ができるようになってきます。内容は理解できているけど、どう言葉にして伝えたら良いか分からないというお子さんも多いはずです。言葉にしてアウトプットする練習をすると、内容を整理する力がつきますので自然と読解力もアップしていきます。絵本を選ぶ際に、1冊はお子さんに選んでもらうのもオススメです。

ポイント③ 絵本の感想を言い合おう

要約ができるようになったら、今度は内容についてどう思うのか感想や意見を交えてみるのもオススメです。簡単な感想や意見でも構いません。自分の意見や感想を言えるのは、内容を正確に把握する読解力がついていてこそ。

ここまで3つの時期に分けて書いてみましたが、簡潔に言うと、読解力を伸ばすにはまず①本が好きなこと。そして②本の内容について親子で話すこと。が大切だと思っています。

そのためにも親である自分自身が、忙しい中でも読書する時間をしっかり取りたいとも思っています。

読書の秋、お子さんとの思い出の1冊を残してみませんか?

《プロフィール》yuu 5歳の男の子を育てるワーママ。朝の30分を活用して子どもとの知育時間を楽しんでいます。インスタグラムでは、子どもが楽しめる知育遊びやワーママライフを発信中(https://www.instagram.com/punyuugram/?hl=ja

著者プロフィール

東京大学卒業(2011年~2012年度)の現役子育てグループ。主要メンバーは7名。東大OBOGたちへのヒアリングやアンケートを基に「東大生の幼少期の習慣」を分析し、現役ママの目線も取り入れて、“今すぐできる幼児教育”の実践方法を提案している。著書に『東大脳を育てる3歳までの習慣』(小学館)がある。SNSでも実践中の知育や自分たちの経験談を発信中。
https://www.instagram.com/todaimoms/
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