話題の幼児向けICT教材 KitSとは?後編~導入幼稚園の年長クラスの授業に密着!~
「創造力」「チームワーク力」「ICT活用力」を育む、話題の幼児向けのICT教材「こどもモードKitS(キッツ)<以降、KitS>」。後編では、KitSを4年前から導入しているというモデル園のひとつ、学校法人聖愛学園 聖愛幼稚園の野口哲也園長にお話しを伺い、実際に授業の様子も拝見してきました。
目次
4年前から導入し、自ら授業を行う野口園長にインタビュー!
__KitS導入を決めた経緯を教えてください。
元々私はパソコンが好きで、園の一画にMacを2台ほど置いて子どもたちに自由に遊ばせていたんです。あくまで「遊び道具の1つ」として、です。だからKitSを正課に導入することには最初少し抵抗があったのですが、KitSが「21世紀型スキル」という非認知系の能力を伸ばすために考えられたカリキュラムだと伺い、自園の教育スタイルに新たな風を吹き込めればという期待も込めて導入することに決めました。
__園長が自ら授業をされていると聞きましたが、子どもたちの反応はどうですか?
直感的に操作できるタブレットは子どもととても相性が良く、みんなノリノリで授業を受けてくれています。園長の力というより、タブレットのおかげ、ですね。「タブレットにかじりついたまま」の活動ではなく、みんなでワイワイ話し合ったり、成果を見せ合ったりするので、保護者の皆さんにも「思っていた授業と違いました!」と好評です。スタートして4年経ちますが、KitSの「子どもたちがそれぞれに作りだしたユニークな成果を認め合う」というスタンスは、普段の保育にも浸透し、園全体で子どもたちの自己肯定感を伸ばす雰囲気ができてきたと感じます。難しいと思っていた操作も子どもたちはすぐに飲み込み、お互いに教え合う姿も見られますし、「一度中断して先生の説明を聞く」ということもしっかりできていて、子どもの順応性の高さを感じています。
__KitSのどんなとことが気に入っていますか?
多くの参考となる資料がいただけますが、「これ以外のやり方は認めない」という押しつけがましさは一切無く、方向性を理解した上で自分なりのアレンジができるところが気に入っています。どうしても「自園のこだわり」を入れたくなりますからね。
また、「十人十色、全員が正解」というコンセプトもとても気に入っています。通常の保育ではどうしても「お手本通りに作りましょう」という活動が多くなってしまうので、こういう「発想力」を養う活動は子どもたちにとって新鮮で刺激的ですし、別の側面から子どもたちを褒めて伸ばしてあげることができます。また、デジタル教材ですから、操作を間違ったら簡単に戻せるので、失敗を恐れず思い切り活動できますし、何百色の筆やクレヨンを瞬時に切り替えて使うこともできます。そういう特性を生かしたカリキュラムになっていると思います。
あったらいいな!の園バスをデザイン
では、実際の授業の様子をご紹介します。
この日は、らくがキッズで、思わず「乗ってみたい!」と子どもたちが言うような園バスをデザインしました。
まずは想像力を刺激するために、ネットを画像検索して、様々な園バスをチェック。どんな色が使われているか、どんなものが描かれているか、じっくり観察しながら想像力を膨らませます。
実物の写真を瞬時にたくさん見られるのはインターネットならでは。鮮やかな配色やキャラクターモチーフなどを見て「楽しそうな感じ」の園バスが多いという声が子どもたちから上がっていました。
「では、はじめよう!」の合図で、自分たちでアプリを起動させ、どんどんデザインを進めていく子どもたち。わからないことはお友達に聞くので、先生はアイデアを褒めたり、手が止まっている子には声がけでフォローしたりする程度。
完成した絵は自分で顔写真を撮影して保存していきます。これだけで終わらないのがKitS。
その後は、お友達の絵を見ながらテーマや描き方を聞いて、気に入ったものにいいね!ボタンを押していきます。「お互いに認め合う『いいね!』ボタンは子どもたちの自信にもつながっています。
また、描画の過程も記録されるので、友達がどうやって描いたのか確認できます。これもデジタル教材ならではの良さだと思います。また、完成した作品はクラウドに保存されているので保護者が自宅のスマホから見て「いいね!」することもできるのも評判ですよ(野口園長)」
iPadは他にも、雨の日や朝の自由時間に使うこともできます。
この日の見学会には導入を検討中の幼稚園や、導入済みの幼稚園の先生が来られるなど、他園の生の声を聞く意見交換の場にもなっていました。
昨年から導入されたある園の園長先生にお話を伺うと「毎回、“明日はKitSの日だよね!”と子どもたちもKitSが大好きです。最近は他の場面でも、自分たちで話し合うのが上手になったと感じています」という声も。
KitSについての詳しい情報は、こちらの前編記事も合わせて御覧ください。