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子どもの自立心を育てる「はじめてのおつかい」

子どもの自立心を育てる「はじめてのおつかい」

子ども一人で行かせる「おつかい」は自立するためには必要だとわかっていても、いつ、どこで、どんな風にさせればよいのか分からない…。

そんなママたちの声に、伸芽会の飯田先生が答えてくれました。

監修者プロフィール
飯田道郎

1960年福井県生まれ。早稲田大学政治経済学部在学中に伸芽会の創立者・大堀秀夫と出会い、入社。子どもの目線に寄り添い子どものやる気を引き出す人気教師として男の子の指導に定評があり、これまで3,000人以上の教え子を難関校へと導く。著書に『9歳までの男の子の育て方』(世界文化社)。本サイトのYoutubeチャンネルであるSHINGA FARMちゃんねるへレギュラー出演中の他、AERA with Kisds+朝日新聞 DIGITALなど多くのメディアにも取り上げられるなど、幼児教育業界の第一人者として活躍中。


3歳になったらおつかいをはじめよう!

0~1歳は「五感を使って確かめる時期」、1~3歳は「親がお手本になる時期」、3歳以降は「社会に出ていくきっかけを作る時期」と言われています。

つまり、お金を舐めて叱られていた1歳児が2歳頃になるとおままごとをするようになり、3歳を過ぎると実際にママのように外でお買いものをしてみたくなるというわけです。

これはとても成長にとって欠かせないこと。“危ない、まだ早い”などと思わずに、3歳を過ぎたら子どもの“やってみたい”という気持ちを大事にして、トライさせてあげてください。

おつかいで学べるコトは無限大

数の意識や金銭感覚から社会の縮図まで…。買い物をすることで学べることは本当にたくさんあります。

最近のおままごとのおもちゃにはクレジットカードがついていたりしますよね。実際にママのお買いものはいつもインターネットかカードという人もいるでしょう。SuicaやPasmoなどで現金を持たずとも買い物ができる便利な時代です。

でも「お札とコインはどっちが価値があるか」、「1000円でどれくらいのものが買えるのか」、などは現金を使わなければ学べません。便利になることは否定しませんが、本来のお金の意味を知ることも重視してほしいと思います。

子どもと一緒に買い物に行く際も、「野菜の値段が高くなった」「いちごがたくさん売ってるね」など食べ物の旬の時期を学んだり、産地を見れば地理の勉強にもなりますよ。

まずは「大手スーパーと商店街」がおすすめ

おつかい=一人で出かけるだけではありません。私がよくおススメする方法として、「大手スーパー」と「商店街」があります。

【大手スーパーの場合】

大型店のスーパーの広い店内には野菜から果物、肉に魚、パンに飲み物とさまざまなものが置いてあります。一緒に店内に入りながら、「あの先の野菜売り場でトマト2つとじゃがいも3つを取ってきてくれる?」と子どもにお願いするのも立派なおつかいです。

何より遠くから見守れて安心ですし、迷子になったらどうするか、ママとの待ち合わせ場所なども教えることができます。

これらをこなすうちに今度は、「お魚コーナーでパパが好きそうなお刺身を買ってきてくれる?」「500円以内で買えるお肉をとってきて」「ママは入口で待ってるからカレーライスを作るときに使うものを買ってきて」など、徐々にお題を抽象的に難しくしていけばいいのです。

【商店街の場合】

いわゆる昔ながらのおばちゃんやおじちゃんが店番をしているお店。ここで子どもが買い物に行くと、「一人で来たの?偉いわね!」と必ずといっていいほど褒めてくれます。中にはちょっとしたおまけやサービスをしてくれることもあるでしょう。

この“他人に褒めてもらうこと”に子どもはとても喜びを感じ、味をしめます。スーパー編がクリアできたらぜひ商店街編に挑戦してみるといいでしょう。

商店街での買い物は「言葉のやりとり」がないと成立しないので、言語レベルを高めるチャンスでもあり、お子さんが自分の行動に自信をもつきっかけにもなりますよ。

疑似体験で学べるお買いものも立派なおつかい!

おつかい=物を買うだけではありません。売っている人や働いている人にも目がいくことになります。そういった意味では「キッザニア」などで働いてお給料をもらったり、お買い物をしたりといった疑似体験をするのも立派な金銭感覚を身につけられるチャンスになるでしょう。

キッザニアにはリソー教育グループのパビリオンもありますから、機会があればぜひ遊びに行ってみてください。

お買いものを通して子どもは、「人とコミュニケーションをとる大切さ」や「指示を理解して情報を整理する力」、「人のためを思って行動する力」や「コーディネート力」などを養えます。特別なことではない日々のおつかいを通して、子どもは成長していくんです。

最後に男の子におつかいに行かせる際のコツとして、「パパの〇〇を買ってきて」「みんなで食べる〇〇をお願い」など自分の好きなものではなく、誰かのために行くという目的を設定するとよりその気になりやすいと思います。お試しください!

 

「もし、おつかいの内容を間違ったとしても決して頭ごなしに叱らずに、なぜそうなったかの理由を聞いてみてください。そこには子どもなりの理由や成長できるヒントがきっとあるはずですから!」という先生の言葉が印象的でした。

私も早速身近なスーパーから子どもにおつかい体験をさせてみようと思います!

著者プロフィール

ライター・エディター。出版社にて女性誌の編集を経て、現在はフリーランスで女性誌やライフスタイル誌、ママ向けのweb媒体などで執筆やディレクションを手がけている。1児の母。2015年に保育士資格取得。

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