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ATMに電子マネーで“見えない化”するお金!幼児期の「お金教育」のススメ

ATMに電子マネーで“見えない化”するお金!幼児期の「お金教育」のススメ

少し前にツイッタ―でも、お小遣いで投資を学ぶ中学生のことが話題
になっていました。

電子マネーに仮想通貨…これからの時代を生きる子どもたちが身につけておきたい「お金教育」について、金融広報中央委員会「知るぽると」(https://www.shiruporuto.jp/public/)事務局の岡崎竜子さんにお話を伺ってきました。幼児期に遊びながらお金を学ぶコツも必見です!

今なぜ「お金教育」が必要なのか

昭和40年頃は、毎月父親が給料袋を持って帰り、「お勤めご苦労様です」と家族で感謝し、その日は夕飯がちょっと豪華…そんな時代でした。その後、給料は銀行振り込みとなり、今の子どもたちは「カードをATMに入れればお金が出てくる」という感覚になっています。電子マネーをチャージすれば「ピッ」とかざすだけで欲しい物が買える時代です。今後はデジタル化が進み、ますますお金が「見えない化」していくでしょう。

だからこそ、私たちは、幼いうちから「お金には限りがあること」や「働いてお金を得ること」、「お金を大切にする習慣」といったお金の土台を身につけ、将来の働く意欲や生きる力にしてほしいと考えています。

学校教育でも「金融教育」の重要性が見直されている

2017年および2018年に告示されている改訂学習指導要領でも、金融教育の内容の充実化が図られ、小・中学校、高校における社会、生活、家庭科、保健体育などの教科にその内容が多岐にわたり含まれています。金融教育とは、お金や金融の働きを理解することで、自分たちの暮らしや社会について深く考え、より豊かな生活や社会づくりに向けて、主体的に行動できる態度を養う教育のこと。

現代の社会における生活と不可分な「お金」をさまざまな体験学習を通して学んでいくことで、生きる力やコミュニケーション力を養い、学力もUPすると言われています。知るぽるとでは、学校教育で活用できる教材も提供しています。詳しくはHPの<教育関係の方へ>をご確認ください。

https://www.shiruporuto.jp/education/

遊びながらお金教育が身につく方法とは?

では幼児期にどのようにして「お金教育」を学んでいくべきか。年齢別でいくつかの例をご紹介していきましょう。

幼稚園でのお店屋さんごっこ遊び

子どもたちが大好きなお店屋さんごっこ遊び。4歳以降になれば、自分たちで品物を作り、お店の準備をし、買い物体験をし、低年齢の園児たちのお客さんにも優しく接客することができます。こうした幼児期のお店屋さんごっこ体験では、お金教育の土台となる「自分の物と他人の物の区別ができること」、「欲しい物をすべて手にすることはできないこと」を知るとても良い機会です。

小学生のおみやげ買い物体験

東村山市立野火止小学校における事例では、6年生が二泊三日で日光を訪れ、その際に家庭科学習の一環として3000円を限度におみやげを購入します。計画立案、購入、まとめまで授業で行いますが、お金の使い方を自分で考えて選択する。そしてその結果に責任を持つという人間の生き方そのものに関わる教育だと思っています。(金融広報中央委員会『はじめての金融教育』より)

おかね学習フェスタ

金融広報中央委員会が全国で開催するイベント「金融教育フェスタ」における「親子のためのおかね学習フェスタ」では、銀行のお仕事体験や、おかねクイズ、おかねのおはなし会など体験型のイベントを通してお金について学ぶことができます(参加費無料)。毎回大盛況のイベントです(定員があるものは要事前予約)。次回は山梨県立図書館で1月14日開催。詳細はhttps://www.festa2018.jpでご確認ください!

おかねのね

金融広報中央委員会が作成し、池上彰氏ほかに監修頂いた「おかねのね」では、パソコンやスマホを使ってクイズ形式で楽しみながらお金の勉強ができます。小学1,2,3年と学年別でお金の使い方や役割などカテゴリーが分かれいて、クリアすると表彰状型の壁紙がもらえます。親御さんと一緒に行えば未就学児の子も楽しめると思います。

https://www.shiruporuto.jp/public/data/magazine/okanenone/

家でできる「お金教育」、親が心がけるべきポイントは?

日本では「家庭内でお金の話をするのはタブー」と言う考え方がまだあるのかもしれませんが、これからの時代は家族でも積極的にお金や仕事の話をして、幼いうちから必要な知識や適切な態度を身に付けてほしいと思います。

また、小学生以上になるとおこづかいをはじめる方も多いと思いますが、おこづかいはまさにお金教育のチャンス!少額でもおこづかい帳をつけて何に使ったかを親子で把握しておくと、将来お金を管理する力がつくはずです。HPでダウンロードして簡単に作ることもできますので、ぜひ利用してみてください。

https://www.shiruporuto.jp/public/data/magazine/kozukai/

おこづかいきろくには、「物を買うときは、よく考えてから買うこと」「物は大切に扱い、無駄使いをしないように」「友だちとお金の貸し借りはしないこと」「困っている人たちを助ける募金活動に協力してみよう」などのアドバイスも。

コンビニで電子マネーが買えたり、新しいサービスがどんどん出てくる今、近い将来、子どもたちから親が教わる機会も増えてくるはずです。親としては、落とし穴がないか慎重に目を配りつつ、怖がらずに興味を持つことがこれからの時代は大切なのではないでしょうか。

いかがでしたか。お話を伺って、ATMでお金を引き出す私の姿を不思議そうに眺める6歳のわが子の顔が浮かびました。キッザニアで嬉しそうに自分のクレジットカードやお財布を持つ姿を見ていると、未就学児は既にお金や仕事に興味津々なんだろうと思います。わが家でも「お金のことはまだ早い」などと思わずに、できることから土台作りを始めてみようと思います。

ちなみに、日本銀行では一般見学も行っているそう(小学5年生~要電話予約、無料)。日本銀行内を見学したり、1億円の重さを体験したり、見て・楽しんで・学べるツアーです。

ぜひ親子で参加してみてください!

https://www.boj.or.jp/about/services/kengaku.htm/

著者プロフィール

ライター・エディター。出版社にて女性誌の編集を経て、現在はフリーランスで女性誌やライフスタイル誌、ママ向けのweb媒体などで執筆やディレクションを手がけている。1児の母。2015年に保育士資格取得。

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