読み聞かせは何歳から始めるべき? オススメ絵本と読むコツもご紹介!
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乳幼児期の絵本の読み聞かせには「聞く力」「見る力」「集中する力」を高める効果があると言われていますが、どんなポイントで絵本を選べばよいのでしょうか。
そこで、伸芽会の託児サービス「伸芽’Sクラブ」の吉原美樹先生に、幼児教育の目線で、0~3歳の年齢別おすすめの絵本や、実際に伸芽’Sクラブでも実践している読み聞かせのコツを伺いました。
目次
何歳から絵本の読み聞かせを始めるか
__絵本の読み聞かせを始めるタイミングを教えてください。
「読み聞かせは赤ちゃんにも効果があるの?」と悩まれる方がいらっしゃるかもしれませんが、結論から申しますと、何歳からでも(0歳からでも)始めてOKです。
目安としては、赤ちゃんは生後3ヵ月くらいから 、周囲の音や色に反応しだすと言われていますから、そのくらいから少しずつ始めるといいかもしれません。
反応が薄いと「まだ早いかな」などと感じるかもしれませんが、赤ちゃんは大人が思っている以上に刺激を受けているのです。具体的に幼児期の読み聞かせでどのような力が身につくかは次のトピックでお伝えしていきます。
・赤ちゃんの月齢別の発達の特徴については、こちらの記事をご覧ください。
『完全版!【メンタルリープとは】生後20ヵ月で10回起こるぐずり期』
・読み聞かせを「いつまでするべきか」、その効果についてはこちらの記事で解説しています。『小学生まで続けると学力アップも!?「絵本の読み聞かせ」いつまですべき?』
乳幼児期の絵本の読み聞かせで身につく力
__乳幼児期から絵本を読むことで、どんな力が身につくのでしょうか。絵本選びのコツも合わせて教えてください。
同じ音が繰り返された絵本で「聞く力」を高めよう
絵本を「絵がきれい」「話が素敵」など、お母様の好みで選ばれる方も多いと思いますが、「まだ言葉がわからないから簡単なものでいい」ということではありません。文字がわからない乳幼児も、音で絵本を楽しんでいます。“同じ音の繰り返しがある絵本”を選ぶと脳の刺激になります。
・幼児期の“聞く力”に関しては、こちらの記事もご覧ください。
『小学校受験の合格のカギ!「幼児期に伸ばしておきたい“聞く力”」とは?』
具体物が描かれた絵本で「見る力」を高めよう
0歳児はまだ視力が発達中のため、赤青黄などはっきりとした色の方が見えやすいと言われていますが、色だけではなく形もポイントです。
伸芽’Sクラブで読み聞かせをする絵本は抽象的な絵よりも「青い車」「赤いリンゴ」など、具体物がイメージできる絵本を選ぶようにしています。そうすることで、音と形をリンクさせて認識できるようになると考えているためです。
大人はつい「これは青だよ!」と色や形を教えながら読みがちですが、あくまで音と絵を意識して淡々と読み聞かせることがポイントです。
静かに座って読むことで「集中する力」を高めよう
乳幼児が絵本で得られるのは「聞く力」「見る力」だけではありません。お膝に座るなどして読み聞かせをしてもらう時間が「静かに集中する力」を高めているのです。
そのため、読み聞かせる側がイライラして注意散漫な状態では、聞く側も集中できませんから、寝る前やご飯の前など少しの間でもよいので、心を落ち着かせて読んであげるのが重要です。
・集中力に関しては、こちらの記事もご覧ください。
『わが子の集中力の育て方を解説! 『すぐに結果を出せる すごい集中力』著者、荘司雅彦さん』
0歳~3歳 年齢別おすすめの絵本
__保育園や幼稚園に通い出すと、園でさまざまな絵本に触れる機会も多くなりますが、入園前の0歳~3歳は、主に親御さんが選んだ絵本を読み聞かせることになると思います。そこで、どのような絵本を選べばよいのか、年齢別にアドバイスをお願いします。
おすすめの絵本はたくさんあるのですが、今回は、伸芽’Sクラブでも実際に使用している絵本を中心にお伝えさせていただきます。
【0~1歳】
音や色から絵本を楽しむ時期なので、『ぶーぶーぶー』こかぜさち ぶん/わきさかかつじ え(福音館書店)など「音が楽しい絵本」「色に興味を持つような絵柄の絵本」を選ぶとよいでしょう。
また、「顔」を認識し出す時期でもあるので、『くっついた』三浦太郎 作(こぐま社)のような絵本もおすすめです。この時期の読み聞かせはゆっくりと繰り返し読んであげること。
たとえば、顔と顔がくっつくページで絵本と同じ動きを真似しながら読むのも効果的です。まだ言葉が話せなくても、「あー」「うー」などと赤ちゃんなりに反応していることにも注目しましょう。
【1-2歳】
少しずつ集中して聞ける時間も長くなってくるので、わらべ歌などの絵本を優しい声で歌うように読むと、心地がよくなり情緒の安定にもつながります。
とはいえ、この月齢の子が落ち着いていられる時間は「1歳=1秒」「2歳=2秒」とも言われており、特に活発な男の子は集中して聞くのが難しいこともあるでしょう。音の面白さに反応して集中できることもありますので、音に注目しながら絵本を選ぶと、「これなら聞いてくれる」という1冊が見つかるかもしれません。
・子どもの情緒の安定については、こちらの記事もご覧ください。
『子どもの情緒を安定させるために取り入れたい習慣【専門家が解説】』
【2-3歳】
少しずつ言葉がわかってくる時期なので、絵+音で語彙力を伸ばしていきましょう。『おやおやおやさい』石津ちひろ 文/山村浩二 絵(福音館書店)などは、絵もリアルで音もリズミカルな言葉遊びになっているので、文字が読めなくても次のフレーズをどんどん覚えていく子が多いです。小学校受験でいう「復唱のテスト」にもつながります。
本物そっくりに描かれた絵が印象的な『のりまき』小西英子 さく(福音館書店)などは、読んだ後に「食べたことあるかな?」「どんな具材が好き?」などと表現や発言の力につながりますし、『ふしぎなナイフ』中村牧江、林 健造 さく/福田隆義 え(福音館書店)は、きる、のびる、ほどける、とける、ちぎれるなどのナイフにまつわる動詞の違いを視覚的に学ぶことができます。
乗り物が好きな子には、『せんろはつづく』竹下文子 文/鈴木まもる 絵(金の星社)がおすすめです。読みながら「次はどうなるかな?」と想像力が膨らみ、推理思考の力も身につく絵本です。ただし、途中で質問をするとどんどん話が脱線してしまうので、まずは静かに最後まで読み聞かせて、余韻を残してから意見を言い合う時間を作るのがポイントです。
・子どもの語彙力に関しては、こちらの記事もご覧ください。
『子どもの語彙力格差はママとの会話で決まる!』
『東大卒ママが実践している、3歳までに語彙力をUPさせる4つのこと!』
『齋藤孝さんの『「伝える力」が伸びる! 12歳までに知っておきたい語彙力図鑑』で 楽しく語彙力をアップさせよう!』
絵本を読み聞かせするときのコツ
__絵本を読み聞かせる際のコツがあれば教えてください。
伸芽’Sクラブでは日頃の読み聞かせで以下のようなことを実践しています。
・表紙から読み始め、最後は背表紙を必ず見せる(終わりを視覚で理解させるため)
・抑揚のつけすぎはNG(ストーリーを壊し、自分で想像しにくくなるため)
・早口にならないように、一息ついてから次のページに進む
・集中力が途切れないように途中で話を止めない(話を聞くのは読み終えてから)
・描写が細かい絵本は、絵を隠さないように持つ場所を注意する
これらに加えてご家庭で読む際は、
・「今日は〇冊ね」と約束を決めて読む(子どもに主導権を持たせすぎない)
・同じ絵本は何度読んでもOK
といった点もポイントです。
大前提として、お子さまは自分のために絵本を読んでくれる心地よい時間が大好きなのです。何かを教えようとしたり意見を否定したりせず、時には親御さんの感想も入れたりしながら、「今日はママが好きな動物の絵本を読みたいな」など、テーマを決めて選ぶのも楽しいでしょう。
また、伸芽’Sクラブでも導入していますが、背表紙だけが見える状態で並んでいると、どんな絵本か想像しにくくなってしまうので、0~3歳くらいまでは、絵の表紙が見える本棚が理想です。難しい場合は数冊を並べてリビングなど目の入る場所に置いておくのもよいでしょう。
・読み聞かせに関してはこちらの記事もご覧ください。
『芦屋市長の髙島崚輔さんも実践!「対話型」の読み聞かせ ハーバード式「ダイアロジックリーディング」とは?』
小学校受験に合格する子は絵本好きな子が多い
__乳幼児期に絵本をたくさん読んでもらった子は、その後の学力に影響がありますか?
小学校受験では多くの学校で「お話の記憶」という試験があります。その名の通り、お話をその場で聞いて記憶し、絵や文字は見ずに問題を解くというものです。
小さい頃からたくさんの絵本を読んできて音の繰り返しに慣れている子は、絵がなくても想像できるようになっているので、問題を解く力が強いと感じます。また、小学校入学後の学童期に本が好きな子は、乳幼児期にたくさん絵本に触れてきた印象です。
ただし、「心地よい読み聞かせ」と、「受験対策としての読み聞かせ」は全く別ものですから、入試対策期間でも、寝る前などの親子の読み聞かせタイムは確保してあげてください。
・小学校受験に関する絵本はこちらの記事もご覧ください。
『小学校受験をしてもしなくても、子どもの将来に必要な力を育む! 伸芽会監修の絵本「やってみよう」が発売』
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子どもを伸ばすヒントが満載!幼児教室のプロが教えるとっておき絵本12冊
SHINGA FARM(シンガファーム)編集部が執筆、株式会社 伸芽会による完全監修記事です。 SHINGA FARMを運営する伸芽会は、創立半世紀を超える幼児教育のパイオニア。詰め込みやマニュアルが通用しない幼児教育の世界で、毎年名門小学校へ多数の合格者を送り出しています。このSHINGA FARMでは育児や教育にお悩みのご家庭を応援するべく、子育てから受験まで様々なお役立ち情報を発信しています。
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