絵本のプロが選ぶ「いのち」の大切さを学べる絵本5選!
親子の大事なコミュニケーションツールであり、子どもにとって欠かせない学びの場である、読み聞かせ。でも、どんな絵本を選んだらいいか迷ってしまいますよね。
そこで、今回は児童書を多数取り扱う「クレヨンハウス」(http://www.crayonhouse.co.jp/)で、子どもの本売り場ご担当の馬場さんに、普段なかなか自分では手にとりにくい「いのち」をテーマにしたおすすめの絵本を5冊と、その魅力をお話しいただきました。
年末年始など、家族が集まる際に、ぜひ読んでいただきたい絵本です。クリスマスなどのギフトにもぴったりです。
目次
いっぱい愛されたおもちゃは、命が吹き込まれて本物になれる!?
『ビロードのうさぎ』
マージェリィ・W・ビアンコ/原作 酒井駒子/絵・抄訳
ブロンズ新社/刊 1,620円(税込)
クリスマスのプレゼントでもらった、ビロードでできたうさぎのおもちゃを、男の子は大切にしていました。寝るときもあそぶときも、どんなときでもビロードのうさぎは男の子と一緒。
いっぱい愛されたおもちゃは、命が吹き込まれて本物になれる。子ども部屋にはそんな魔法があるのかもしれません。
アナグマの手紙から親子で命を考えるきっかけに
『わすれられないおくりもの』
スーザン・バーレイ/作 小川仁央/訳
評論社/刊 1,296円(税込)
森のみんなから愛されていたアナグマは、ある日の夜のこと、「長いトンネルのむこうに行くよ。さようなら。」という手紙を残していってしまいます。
悲しみにくれる森の仲間でしたが、アナグマがみんなにのこしてくれた、たいせつな贈りものに気づき始め…。親子で命を考えるきっかけになればと思います。
子どもたちの身近な「なぜ?」からいのちを学ぶ
『かぜはどこへいくの』
シャーロット・ゾロトウ/作 バーナデット・ワッツ/絵 まつおかきょうこ/訳
偕成社/刊 1,080円(税込)
「どうしてひるはおしまいになってしまうの?」「おひさまはどこへいっちゃうの?」「かぜはやんだら、どこへいくの?」男の子は不思議でたまりません。風は別の場所で木を揺らし、昼は遠くの街で始まって、お日さまはその街を照らしていく…。
おかあさんは全てに終わりはなく、また別の場所ではじまるのだと言います。子どもたちは身の回りで起きていることに、たくさんの「なぜ?」をもっています。それは、「いのち」についても同じこと。絵本の中の親子のように、一緒に考えてみてください。
家族のいのちのつながりを感じられる一冊
『おじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃん』
長谷川義史/作
BL出版/刊 1,512円(税込)
ある日幼稚園に通うぼくは考えました。「おじいちゃんのおじいちゃんの、おとうさんはどんなひと?」 明治や江戸、さらには原始時代までさかのぼり「ひいひいひいひい・・・おじいちゃん」に会いに行きます。
たのしみながら自分のいのちのつながりを感じられる大人も子どもも読んでほしい一冊です。
地球上で生まれた生命の歴史を、美しい絵でたどる
『せいめいのれきし』
バージニア・リー・バートン/作
いしいももこ/訳 まなべまこと/監修
岩波書店/刊 1,944円(税込)
銀河系の中に何十億年も昔に地球が誕生してから現代まで、地球上で生まれてきた生命の歴史を、美しい絵でたどる絵本。
地球もひとつのいのちであること、そして、いま生きている私たちも、生命の歴史の延長線にあることを感じる1冊です。2015年には、新しい科学的見地が盛り込まれて改訂されました。
「いのち」をテーマにした5冊の絵本、いかがでしたか? 世代を超えて読み継がれるロングセラーや気鋭の作家さんの作品は、どれも大人から子どもまでが、読んで温かい気持ちになったり、じーんと心に響いたり、考えさせられたりするものばかり。
最近では、出産祝いやお誕生日に絵本を贈られる方も多くいらっしゃるそうです。これからの季節、家族やお友達へのクリスマスのギフトに、いつもとちょっと違った視点で絵本を選んでみてはいかがでしょうか。