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遊びながら英語でSTEAMの基礎が学べる!英語×学びの一石二鳥の習い事「Pixiアカデミー」とは?

遊びながら英語でSTEAMの基礎が学べる!英語×学びの一石二鳥の習い事「Pixiアカデミー」とは?

2020年から導入される小学校でのプログラミング教育。それにともない、海外で取り入れられているScience(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Mathematics(数学)の頭文字をとった、「STEM(ステム)教育」が日本でも注目されていることはSHINGA FARMでも取り上げてきました。

しかし、今回紹介する「STEAM(スティーム)」とは、そのSTEMに「ART(芸術)」のAを加えたもの。しかもそれを英語で行うという幼児向けの教室が港区麻布十番にあると聞いて、さっそく取材してきました。お話を伺ったのは、Pixiアカデミーの創立者、石橋ちあみさんです。

海外で当たり前な幼児のSTEM教育事情について

__Pixiアカデミーの発足経緯を教えてください。

わが家には、5歳と3歳の娘がいます。今通っている日本の保育園には大きな園庭もあり、先生方も素晴らしいし、ベストな選択だと思っています。

でも、主人がアメリカ国籍なので、子どもたちにも「もっとお友達と英語を話して欲しい」「視野を広げさせてあげたい」など、思う事があり、保育園児に足したい部分を+αで受けられる教育をと考え、2016年にPixiアカデミーを開設しました。

海外では幼児のSTEMは当たり前ですが、日本では、まだまだ認知度は低いのが現状。ここを通してもっとSTEMやSTEAMのことを知ってもらえたら嬉しいですね。

__海外と日本のSTEM教育で違うと感じる点はどんなところですか?

日本は世界的にみても科学や数学の平均スコアが高いとされています。その事自体はとても素晴らしい事だと思うのですが、ただ日本では幼児期や小学校の早い時期から、これらの教科が「勉強」として捉えられてしまうのは勿体ないと感じます

勉強はテストの点数で判断される事が多く、高い点数をとった時に「頭が良いね」と褒められるとそれが嬉しくて頑張るのですが、そういう子どもたちは難しい問題にあたった時「自分は頭が悪いからダメなんだ」と諦めてしまうようです。

アメリカでは“グロスマインドセット”というのが主流です。これは、子どもは産まれながらではなく、自分の成長や経験(失敗などから学ぶ事を含む)によって能力が決まり、それはどんどん伸びる!という考え方です。

こういったマインドセットを持った子どもは失敗を恐れず、難しい問題にあたった時「自分の努力次第」と粘り強く難しい事に挑戦できるようです。

さらに、アメリカでの幼児STEMでは“プレイ(遊び)”がベースとなっていますから、座学ではなく、実際に作ってみる、実験する、ハンズオン(体験学習)の教育が中心です

また、視覚、感覚に訴える“センサリー”の遊びが充実しているのも海外ならではだと思います。日本の子は「手が汚れるから触りたくない」という子も多いですが、特に幼児期は、五感の刺激はとても重要ですので、これらはPixiアカデミーでも大事にしていることです。

幼児だからこそできる、STEAMの土台作りがある!

__未就学児向けのSTEAM教育とはどういうことをするのですか?

一般的にSTEMというとロボットやプログラミングといったパソコンを使うものが主流です。でも、私たちは、2~7歳には脳の発達上、まだ少し早いかなと考えています。

そこで、その前提となる論理的思考を養い、問題解決力を育てるSTEAM教育の土台作りの時期と捉えています

未就学児のうちに、そのしっかりとした土台があると、将来STEAMを本格的に学んだときにも、苦手意識を持ちにくくなります。

また、やり方や答えを教えることはしないので、過程を楽しみながら、遊びの中で創造性も養えます。それこそが、幼児期に必要なことなのではないかと思っています。

__他のSTEM教室と違うところは?

他の教室では、STEMをひとくくりのカリキュラムとして扱う所が多いですが、Pixiアカデミーでは、サイエンス、テクノロジー、アートなどときちんと科目を区別し、明確に課題が設定され、しっかりと内容にフォーカスしていきます

具体的には、今日の目的を伝え、テーマに沿った絵本を読み(英語)、アクティビティを3つ(アート、実験、工作など)、クロ―ジャー(発表の場)という流れを設けています。

たとえば、ある「テクノロジー」のクラスでは、コーディングの基礎となる体を使った指示出しゲームを行い、その後ステムトイを使ってロボットを動かす体験をすることもあります。こうした取り組みにより、小学校以降、コーディングを学んでもスムーズに入って行けるのです。

また、パソコンやSTEMの教材など、ツールに頼ってそれっぽい見栄えにするのは簡単ですが、PixiアカデミーのSTEAM教室では、空き箱、紙コップなど、できるだけ身近なものを使ってやるように工夫しています

そこにはSTEAMをもっと身近なこととして興味関心をもってもらうため、さらに工夫する力を養ってもらいたいという意図があります。

Pixiアカデミー_01

実際にアメリカで使われている絵本を使用。英語が分からなくても絵を見ているだけで、浮力や工学、風、宇宙などのことに興味を持てるようになるそう。

__スタンフォード大学先生監修のSTEAMプログラムが受けられるのはPixiアカデミーだけ?

はい。私が参加させていただいている、スタンフォード大学の木島先生のプログラムで、アメリカでの幼児教育のこと、日米の比較などを日々共有しています。

先生には、テーマ設定はもちろん、使う教材や絵本、実験材料のアドバイスをいただき、講師とシェアしています。コンセプトは「自分で考えられる子」。講師陣も「これどう使うんだろう?」と毎回楽しみながらカリキュラムを行っています。

英語「を」ではなく英語「で」学ぶ!英語×STEAMの一石二鳥教育とは?

__英語でSTEAM教育、幼児には難しくないですか?

みなさん、最初はそうおっしゃいます。大人は英語を学ぶものと考えてしまいますが、日本語と同じ言語なので、あくまでツールにすぎません。

さらに、遊びは言葉で説明しなくても、見よう見まねでできるものですから、英語が話せなくても全く問題ありません。

Pixiアカデミーでは子どもたちが、実験や身の回りの「どうして?」をヒントにしていくので、英語が話せいない子も楽しく遊んでいるうちに、英語やSTEAMが身についていくんです。

私自身の実体験からしても、英語は座学で学ぶものではなく、何かをしながら英語を使っていくのが自然な環境なのではないかと思っています

__具体的には、どんなことをするのでしょうか?

STEAMのクラスは3ヵ月 11回で1クール(1回75分)。その中で毎回、サイエンス、テクノロジー、エンジニアリング、アートなどSTEAMの明確なテーマを設けています。

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この日は「エンジニアリング(工学)」がテーマの授業。ネイティブの先生が、まず工学に関する絵本を読み、その日学ぶこと(この日はGeometric shapes、Balance、Foundation、)のイントロダクションをしてから、3つのアクティビティを体験します。

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一つ目は、紙コップと木の棒を使って、Balance(バランス)を学びます。

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2つ目は、木のブロックを組み立てて、Foundation(基礎)を学びます。

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三つ目はさまざまな形のソフトブロックでGeometric shapes(幾何学的模様)を作っていきます。さっきまで走り回っていた元気な男の子たちも、気づけば真剣に。

「ちゃんとやろうね」という声掛けはしないのに、自然と活動に促すところがさすがだなと感じました。

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最後に、ひとりずつ前に出て、自己紹介と英語で簡単な発表をします。

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他にも「アート」のクラスでは、シェービングクリームを雲に見立てたり、ベーキングパウダーや車のタイヤを使ったりと、さまざまな題材で取り組んでいくそう。自由な発想の授業は、大人もやりたくなるほど、見ていてとても楽しそうでした。

STEAM教育を始めるのは、2,3歳がベスト!

__始めるのに適した年齢はありますか?

年齢に応じたできることをするので、何歳でも大丈夫ですが、5,6歳となると、「分からない=恥ずかしい」という気持ちが出てきてしまうので慣れるまで少し時間がかかります。

その点、2~3歳くらいだと、先生の真似をしながら自然と英語を話している子が多いですね。

また、先生やスタッフは、決して無理強いはせずに、「やりたくなったら帰ってきてね。これはあなたのよ」と待つスタンスです。基本は母子分離で今日やったことをLINEで動画や写真で報告しますので、自宅で日本語でも復習すると、さらに学びが深まると思います。

__どういった方が通っていますか?

海外で育ったネイティブな子でも楽しいプログラムになっていますが、大半は日本人や英語がまったく分からないお子さんです。6人に対して大人2名なので、手厚くしっかり対応しています。

働くママさんには土曜日のクラスや、近隣の保育園の送迎も人気です。1年くらい通っているお子さんだと、英語で惑星を全部言えたり、自己紹介も流暢になってきています。親御さんからは、「物の形や数字に興味を持つようになった」と言っていただく方が多いですね。

いかがでしたか。親としては「プログラミングが必須=早く習わせなきゃ」となりがちですが、それでは苦手意識を作るだけにもなりかねないのだなと。幼児期ならではのSTEM(STEAM)を始める土台作りという発想が、とても腑に落ちました。

どのカリキュラムもしっかりと目的意識を持って考えられており、とても刺激的なものでした。

他にも、英語でダンスや音楽、テコンドー、異文化体験などのアクティビティも併設しているそう。体験は随時可能だそうなので、気になった方はぜひご連絡を!

Pixi Academy(ピクシーアカデミー)
東京都港区麻布十番2-4-15
03-4405-5141

著者プロフィール

ライター・エディター。出版社にて女性誌の編集を経て、現在はフリーランスで女性誌やライフスタイル誌、ママ向けのweb媒体などで執筆やディレクションを手がけている。1児の母。2015年に保育士資格取得。

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