水泳、体操、バレエにダンスetc. スポーツ系の習い事、何歳からどうやって始めるべき?
子どもは体を動かすことが大好きです。男女ともに人気な水泳、体操、ダンス、女の子にはバレエ、男の子にはサッカーの他に、最近ではテニスや武道などもスポーツ系習い事として人気のようです。
基礎体力の向上も期待できるスポーツ系の習い事は、他にどのようなメリットがあるのでしょうか?ママが気になるところをまとめました。
目次
スポーツ系の習い事にはどんなメリットがあるの?
スポーツ系の習い事全般的に言えることは、基礎体力が向上し、集中力がつき、協調性や精神力が養われるということ。また目上の方への礼儀や接し方も身につき、子どもの成長にプラスになることがたくさんあります。
具体的には、スポーツ系習い事をさせるママたちの意見として、
- 子どもたちの試合を応援したりバックアップする中で親同士の一体感や絆が生まれた
- 勝ち負けを通して悔しいと感じたり負けたくないという気持ちが芽生えた
- 思い切り体を動かす発散の場ができた
などのメリットもあるようです。
また最近は、成績などに順位をつけない教育法が幼稚園や小学校でなされていることがあります。確かに勝ち負けに拘るより、一人ひとりの個性を尊重することは大切です。ですが、競争意識の低下により、負けることへの耐性が弱くなり、何か壁に直面した時、直ぐに心が折れる子どもになる場合もあります。
スポーツはルールに従い、勝敗を競います。いい意味での競争心を育むことができるでしょう。
サッカーや野球、キッズチアダンスなどのチームプレーでは、仲間を信頼し合うことや、相手を理解する気持ち、思いやる心なども身についていくでしょう。
また剣道や柔道など個人プレーでは、試合の時は一対一ですので、誰に頼ることもなく、より強い精神力が培われるでしょう。そして稽古が個人のペースにも合わせやすいというメリットもありますので、一人で黙々と集中して取り組むのが好きな子は、個人プレーのスポーツの方があっていることもあるかもしれません。
ですが、どちらのスポーツも練習は仲間と一緒に励みますので、協調性やコミュニケーション能力は高められるでしょう。
始める時期はいつ頃がいいの?
年齢的には、早ければ早いほどいいというわけではありません。身体機能や基礎体力がまだ十分でないうちから始めますと、練習について行けず、辞めることに繋がっていきます。
水泳などは、ママと一緒に入水するクラスもありますが、一人で入るには、3歳前後~。体操やダンスの個人競技も3歳前後が目安でしょう。
サッカーなどの集団スポーツはルールを正しく理解できるようになる4歳前後~。
剣道や空手も4歳頃には、始めることができるでしょう。まずは母子分離の練習や集団遊びの延長として取り入れることをお勧めします。
体験の時、レベルの高いクラスに行ってしまった結果、「ついていけずに(=楽しくない)もう行かないと言われた」なんていうエピソードも。初めに楽しいと思わせられるかはとても重要です。
体験前に、初心者であるか、少し経験したことがあるかを告げることが大切です。
それでも子どもにあったレベルのクラスを紹介されなかった場合は、そこにはその子のレベルにあったクラスが設置されていないのかもしれません。ですので他に合ったところを探すのもよいかもしれませんね。
スタート時期としては、入園や入学と同時に始めさせる親もいますが、できれば時期を少しずらした方がいいでしょう。
なぜなら幼稚園や小学校の新しい環境に慣れようとしている時、更に新しい事をすると子どもにとっては、体力的にも精神的にも負担が大きくなります。子どもが興味を持ったスポーツを気候のいい5月や10月くらいからがいいかもしれませんね。
きっかけはさまざまです。中にはオリンピックなど目指す子もいると思いますが、ほとんどは体力向上の為、パワーを発散させたいから、そのスポーツ選手に憧れて、お友達や兄姉が習っているからなどが多いようです。
どのきっかけでも子どもがそのスポーツに興味関心を持ったのならグッドです。中には親がさせたかったら、という理由もあるでしょう。子どもの体験を広げるという意味では、それもいいと思います。
ただこの場合は、親が無理やり習わせるのではなく、一度一緒に軽くそのスポーツに触れてみてください。大好きなママと一緒にすることで、子どもはそれに興味を持ち始めるでしょう。その頃「もっとうまくなりたいね」と声をかけ、専門的に習いに行く提案をしてみるとよいですね。
いい指導者の見極めとは?
スポーツの指導者は優しいだけでは、子どもの精神力や技術の向上が難しく、厳しさも必要です。ですがそれは、子どもがスポーツを通して、健やかな成長を培うことを基本としての厳しさであるべきです。体罰的なことを行っていたり、習っている子どもが楽しそうでイキイキしていなければ、考え直してみる方がいいかもしれませんね。
子どもの習い事は「楽しい」があってこそ、意欲や技術の向上につながるものです。
また、有名な元スポーツ選手が教えてくれるつもりで入会しても、実は監修だけで現場では他の人が指導しているという教室もあるので、事前にその辺りも調べておく方がいいでしょう。
体験時の強引な勧誘、入会後の「知らなかった!」を防ぐためにすべきこと
どのような習い事も必ず体験や見学に行くことが大切です。
実際に足を運んで、練習風景や子どもはもちろん、ママ同士の雰囲気も見ておきましょう。
事前に体験を予約する時、「体験を希望していますが、入会するかどうかは後日お返事させて頂く、ということでも宜しいでしょうか?」と伝え、終了後は「本人や家族ともよく相談して後日、こちらからお返事させて頂きます」ときっぱり言いましょう。
それでもしつこい勧誘をされるところでしたら、入会を見直した方がいいかもしれませんね。
またユニフォームや道具、防具の他に、保険代や合宿費、試合出場費など、予想外に費用が多く必要だったり、保護者の役員制度があり親の負担が思っていたより大きく、子どもは続けたいのだけれど、親の都合で辞めさせざるを得なかった、というケースもあります。事前にしっかり確認しておきましょう。
周囲の子どもとの技術の差や実力の違いが、どうしてもはっきり見えてくるのがスポーツ系の習い事の特徴です。我が子がどうであれ、他の子どもと比較するのではなく、初めにその子なりの目標を決め、目標に向かって、子どもを励ましながら、一緒に楽しむ気持ちで親は子どもを応援したいですね。
公立幼稚園、小学校での勤務、幼児教室を7地域で展開、小児病棟への慰問、子どもの声を聴く電話相談など、多方面から多くの子どもに関わる。そのような中、子育てに熱心な
故に、その愛情が焦りとなり挫折、絶望感を抱いている親子が多いことに心を痛める。
「子どもの自立」「自己肯定感」「自己制御力」を柱とし、真に子どもの能力を開花させる子育て法を広める活動を2010年から始める。
現在、息子は大学病院で医師として、娘は母子支援の職場で相談員として勤務。実生活に落とし込んだ、親の心に寄り添う記事に定評がある。「難しいことを分かり易く、ストンと腑に落ちて行動に移せること」を理念とし、現在は執筆、講演、幼児教室を中心に幅広く活動中。
資格:小学校教諭・幼稚園教諭・保育士・日本交流分析協会 子育ち支援士
著書:『子どもの能力を決める0歳から9歳までの育て方』(株)KADOKAWA