早くから塾に通えばいい!?中学受験経験者から学ぶ、低学年の正しい家庭学習法とは? <中学受験第二弾>
中学受験を視野にいれた場合、第一弾で、小学校低学年では、さまざまな体験を多くさせることなどをお伝えしました。では「学習に関しては全く手をつけなくてもよいのでしょうか…」と言いますとそうではありません。
家庭で学習に取り組む姿勢や、問題の反復練習はしておいた方がよいでしょう。それについて、もう少し詳しくお伝えします。
目次
早くから通塾した子どもが、中学受験で成功するとは限らない
中学受験を考えているご家庭では、子どもを小学校入学と同時、もしくはそれ以前から塾へ行かせている親も少なくありません。
ですが実際、早くから塾へ行っていた子どもが、全て中学受験に成功しているかと言うと、そうではありません。高学年になってから、塾へ行き始めた子どもが、成功している例もたくさんあります。
むしろ、早くから塾に通い、長期間の受験体制の勉強に疲れ果て、受験間際に、心折れて、受験を断念する子も多く見てきました。
私自身の子どもたちは二人とも、中学受験しました。塾に関しては、娘は4年生の夏休みから、息子はスポーツをしておりましたので、6年生になってから、通い始めました。
私は、「きっとこんなに遅くから通塾したお友達は少ないだろう」と思っておりましたが、同級生の親御さん方に聴くと、予想してした以上に、多くの方が遅くからの通塾だったのです。
では、小学校低学年の間、学習に関しては、どのように取り組んでいたのかと言いますと、ほとんどの方が、家庭学習をされていたようです。
低学年の家庭学習3つのポイント
その1 「学ぶ姿勢」を身につけておく
学ぶ姿勢が身についていなければ、塾へ行ったとしても、勉強どころではありません。例えば
・先生の話をしっかり落ち着いて聞く。
・授業前には、きちんとノートや教科書、筆箱などを机の上に出し、用意しておく。
・先生の話を聞きながら、板書をノートに書き写す。
・宿題は自らキチンと済ませる。
これらの習慣が身についていなければ、塾へ行っても時間と費用の無駄になるでしょう。これらは低学年の間に家庭学習で習慣づけておきたいものです。
その2 することは具体的に決めて見える化する!
漠然と「家庭学習」と言ったところで、子どもはどうすればよいのか分からず、戸惑うものです。ですので、最初は具体的にすべきことを決めるとよいでしょう。
・教科毎に、ドリルを1日〇ページと決め、予定を立てる。
・立てた予定は、スケジュール表などにし、見える化する。
・勉強時間は、ハッキリ決めておく、などです。
最近は、書店に行くと、年齢にあった教材が多く出ております。親子で書店へ足を運び、相談しながら一緒に決めるとよいでしょう。そうすることによって、親から一方的に押し付けられた教材ではなく、子どもの意見や気もちも反映されていますので、学習への意欲も湧いてくるものです。
その3 教材は「学ぶ楽しさ」が体感できるものを選ぶ
低学年の間は、無理強いせず、勉強は楽しい、と学ぶことの楽しさを感じ取らせることが大切です。
それには難易度の高いものより、
・「わかった」「できた」をいっぱい体感できるもの
・達成感があるもの
を選ばれるとよいでしょう。
そして子どものペースを見ながら、余裕があればワンランク難しい教材を用意するといいと思います。
中学受験の合否は、塾の前の低学年での学習習慣にあり!
中学受験のための塾は、問題の解き方、理解の仕方、志望校の入試問題の傾向と対策などを指導してくれるところです。親は子どもが塾へ行くと、「勉強している」ような気持ちになり、安心してしまいがちですが、実はそこが落とし穴なのです。
中学受験の合否は、学習への基本的姿勢が身についているか、そうでないかで大きく左右されます。
低学年の間に、ぜひ家庭で習慣化させてあげましょう。
公立幼稚園、小学校での勤務、幼児教室を7地域で展開、小児病棟への慰問、子どもの声を聴く電話相談など、多方面から多くの子どもに関わる。そのような中、子育てに熱心な
故に、その愛情が焦りとなり挫折、絶望感を抱いている親子が多いことに心を痛める。
「子どもの自立」「自己肯定感」「自己制御力」を柱とし、真に子どもの能力を開花させる子育て法を広める活動を2010年から始める。
現在、息子は大学病院で医師として、娘は母子支援の職場で相談員として勤務。実生活に落とし込んだ、親の心に寄り添う記事に定評がある。「難しいことを分かり易く、ストンと腑に落ちて行動に移せること」を理念とし、現在は執筆、講演、幼児教室を中心に幅広く活動中。
資格:小学校教諭・幼稚園教諭・保育士・日本交流分析協会 子育ち支援士
著書:『子どもの能力を決める0歳から9歳までの育て方』(株)KADOKAWA