知らないと家計に大打撃!? ママが知っておきたい税金のこと2017年【知って得するお金のコト 第7回】
2017年は、家計に影響がある税制改正が盛りだくさん!
今後決まるかもしれない、12月に公表された2017年度税制改正大綱の内容も含めて、2017年に変わる税金にまつわるあれこれを一挙紹介します!
【▼2017年1月からスタート】
目次
自分の健康管理に気を使うと税金が安くなる!
TVでもよく取り上げられている「セルフメディケーション税制」がこの1月からスタートしました。この制度は、薬局で対象となる医薬品を1年間で12,000円以上購入すると、12,000円を超えた分を所得控除することができる医療費控除の特例制度です(最大88,000円まで)。
従来の医療費控除では、1年間で10万円以上(※)の医療費(医薬品・診察代)支出が必要でしたが、大幅に要件が緩くなりました。
(※) その年の総所得金額等が200万円未満の人は、総所得金額等5%の金額
<セルフメディケーション税制のポイント>
・同じ効能の医薬品でも対象のものとそうでないものがあるので、買う前に薬のパッケージをチェック。対象医薬品についてはマークがついています
・薬局で医薬品を買ったらレシートに対象医薬品のマークがついているかチェックして、大切に保管しよう(確定申告で使います)
・健康診断や予防接種を受けるなど健康の維持増進や予防への取り組みをしていることが条件です
・家族分を全て合算できます
・これまでの医療費控除との併用はできません。有利な方を選択します
年収1000万円~1200万円の人は税金が高くなる!
2017年から年収が1,000万超~1,200万円の方は、収入から経費としてひいてもらえる「給与所得控除」が下がるため、支払う税金があがります。具体的には、年収1,200万円の人の場合、給与所得控除額は230万円から220万円に下がり、課税所得が10万円分増えることに。
所得税率を23%とすると、年間で徴収される所得税は2万3,000円増え、そして翌年徴収される住民税も約1万円あがり、トータルで年3万円以上手取りが減ることになります。
該当するかもしれないという方は、税金を少しでも減らすためにできること(例:個人型確定拠出年金への加入やふるさと納税など)がないか考えておきましょう。
【▼2017年度中に変わるかもしれないこと】
続いて2017年度税制改正大綱の内容を紹介します。今後、閣議決定・国会における話し合いを経て、3月末までに成立・公布されるのが一般的なスケジュール。今後のニュースに注目しましょう。
タワマン高層階に住んでいると税金が高くなる!?
平成30年1月以降に引き渡される、20階建て以上の新築タワーマンション(タワマン)に住む人が払う固定資産税が増税される見通しです。具体的には20階以上1フロアあがるごとに約0.25%増税、1フロア下がるごとに約0.25%減税に。
今は同じ床面積ならばどのフロアに住んでいても同じ固定資産税額なので、超高層階に住む場合はかなりのダメージとなりそう。来年以降タワマン物件を買う予定の方は、増税を踏まえて、何階に住むか、なぜタワマンにしたいのかなど、家族の価値観と照らし合わせながら、慎重に物件探しをするといいですね。
もっと働いても配偶者控除を受けられるようになる!?
いわゆる「103万円の壁」と呼ばれる配偶者控除の制度が変わる見通しです。パパの所得税が下がる配偶者控除を受けられるように、ママがパート年収を103万円までに抑えて働く方が多いのですが、この年収制限が103万円から150万円に引き上げられる予定。同時に配偶者特別控除の枠も201万円まで引き上げられます(150万円超は段階的に控除額が減ります)。
ただし、これまでは高所得者でも受けられた配偶者控除について、パパに所得制限が設けられます。パパの給与収入が1,120万円以下なら38万円の控除が受けられますが、1,120万円超1,170万円以下だと26万円、1,170万円超1,220万円以下だと13万円と段階的に控除額が減額され、1,220万円を超えると控除が受けられなくなります。
パパの年収が高い方は、パート収入が103万円を超えなくても控除を受けられず増税となるので、注意が必要ですね。
発泡酒・チューハイが増税、ビール・日本酒が減税に!?
ビール・発泡酒などの酒税率が一本化されるのに伴い、発泡酒は1本(以下、1本 350mlとした場合)あたり約26円の増税に。一方ビールは1本あたり約23円の減税となります。
税率見直しは時期を3段階に分けて行い、第1段階は平成32年10月1日、第2段階は平成35年10月1日に実施される見込み。なおチューハイについても増税となり、平成38年10月より1本あたり約7円あがり、日本酒とワインについても税率の一本化を予定しており、日本酒は減税、ワインは増税となる予定。
増税対象のお酒にかけるお金が家計に占める割合が高い方は、増税分を少し意識して購入するようにしましょう。
税制改正の影響は小さなものであっても、積み重なれば家計への影響は避けられません。今後のニュースに敏感になり、気が付かないうちに手取り額が減っていた、貯金ができなかった、などとならないよう注意したいものですね。
▼【連載】知って得するお金のコト
第1回「学資保険には入るべき?知らないと損する保険のこと!」
第2回「子どもと学ぼうお金のコト【前編】子どもに伝えたい!お金の大切さ」
第2回「子どもと学ぼうお金のコト【後編】ジュニアNISAって何?」
第3回「お財布が別だと離婚率が高まる!? ~夫婦の家計管理で気をつけるべき3つのこと」
第4回「定額制VS報酬制!? 子どものおこづかい、どうしていますか?」
第5回「もらう、あげる、子どものお年玉で気をつけるべき3つのこと!」
第6回「子どもの自転車事故で9,500万円の賠償も!ママが入っておくべき個人自賠責保険とは?」
家族が笑顔になれるための生活に役立つお金の知識を、主に女性向けにセミナーや執筆活動、個人相談などを通じて発信している。専門は教育費・ライフプラン・保険・住宅ローン・マネー&キャリア教育。
講演の他、小・中学校や地域コミュニティなどでの講演やワークショップなど、保護者や親子向けイベントも行っている。株式会社ライフヴェーラ代表取締役。