学校生活を成功させるために、6歳までにやっておきたい3つのこと
小学生になると、自ずと「お勉強」が中心の生活になってきます。だからこそ大切にしたい小学校までの6年間。心の成長期であるこの時期にぜひ取り組んでおきたいのは、小学校で力を発揮するための強い心作り。心理学的な側面から3つの強化ポイントをお伝えしていきます。
目次
プラス思考を伝える
人の思考スタイルは小学校低学年頃にできあがると言われています。
思考スタイルとは、「あの人はプラス思考だ」「ネガティブな人だなぁ」というようなその人の物の捉え方のこと。約半分は遺伝によるものですが、残りの半分は環境によって育まれます。
物事をポジティブに捉えることができる子は、人間関係も良好、やる気も続く、といいことづくしで、さらには学校での成績にも繋がっています。幼稚園時代あたりが思考スタイル形成のピークなので、ぜひ強化していきたいポイントです。
方法は至ってシンプルです。まずお母さん(子どもと長い時間を過ごす人)が物事をポジティブに捉えるように努めることがカギ。
それにより、お母さんの発言がポジティブになります。「思い」と「言葉」はつながっているのです。それを聞いた子どもたちは、お母さんの言葉のみならず、考え方までもスポンジのように吸収していきます。
自己コントロール力を伸ばす
頭のよさを示す指数といって真っ先に思いつくのがIQ。
しかし、最近分かってきたのは、IQ以上に学校での成績を的確に予測できるファクターがあるということ。
それは何かというと「自制心」です。自制心が高い子は、「テレビを消して宿題を先にする」など自分を律することができるので学力に直結しやすいからでしょう。
「後々の満足のために、目の前のことを我慢すること」を心理学用語で“Delayed Gratification”と言います。この力は年齢とともに伸びていくものですが、個人差があります。大きくなってからいきなり我慢はできないので、小さい頃からの育みがポイントになってきます。
その際の注意として、我慢させてよいものと悪いものの区別はしっかりとしておく必要があります。
愛情ベースか否かで判断すると分かりやすいでしょう。たとえば、甘えたいときの抱っこは我慢させない、でも、少し歩いてすぐに「抱っこ!」というときは頑張って歩かせる、のように。
また、おもちゃやお菓子などの物質的なものは、依存性があるので(orクセになりやすいので)我慢させることも必要です。
好奇心を大切にする
ドイツの研究で、幼少時の遊び方が、将来の社会的ステイタスに影響を及ぼすことがわかりました。小さい頃に、自分で好きな遊びをしていた人ほど、大人になって成功している確率が高かったのです。
逆に、親がスケジュールを管理していたと答えた人にはその傾向は見られませんでした。やはり、ここでのポイントは、自ら選ぶ経験です。そういう点からも、親が管理し過ぎず、子ども自身の興味や関心ごとを大事にしていく子育てが幼少期には望まれます。
幼少時は、将来のための心のウォーミングアップ期間です。
- 先行きを明るく見通せるプラス思考
- いざというときの踏ん張りになる自制心
- 湧き出る好奇心
を上手に育んでいきましょう。
育児相談室「ポジカフェ」主宰&ポジ育ラボ代表
イギリス・レスター大学大学院修士号(MSc)取得。オランダ心理学会(NIP)認定心理士。ポジ育ラボでのママ向け講座、育児相談室でのカウンセリング、メディアや企業への執筆活動などを通じ、子育て心理学でママをサポート。2020年11月に、ママが自分の心のケアを学べる場「ポジ育クラブ」をスタート。著書に「子育て心理学のプロが教える輝くママの習慣」など。HP:https://megumi-sato.com/