5~6歳児(年中・年長児)の特徴と、ぐんと成長する親の接し方
4月から年中・年長さんになるお子さんを持つママ向けに「年中・年長児はどんなことができる(べき)歳なのか」また、「大事なこの時期を、どう過ごせば子どもは伸びるのか」について、伸芽会の桑名先生に伺いました。
生活面、学習面、精神面はもちろん、男女別でのアドバイスも必見です。
目次
進級やお誕生日は新たなお約束を作るチャンス!
「今日から年中・年長さん」「今日から5歳!」という日は、子ども自身が「私はお姉さん、僕はお兄さんなんだ」と自覚を持つとき。そんな節目には、お手伝いなど家庭での新たな役割を与える絶好のチャンスです。
特に、年長は「園で一番の上級生になるから、下の子たちのお手本にならなくちゃ」とやる気に満ち溢れています。そのモチベーションを効果的に活用しましょう。
ただ、家でたくさんのお手伝いをさせ、習い事や詰め込み学習をしすぎたりして、過度に期待をかけすぎると、子どもがパンクしてしまう場合も。お手伝いやお約束に「絶対」はありません。
日々、お子さんと相談しながら変化していいと私は思っています。柔軟に対応してあげてください。
年中はよいことも悪いことも吸収してマネしたくなる時期
お教室内でもよく見る光景ですが、覚えたての“汚い言葉”を面白がって言い、替え歌遊びをしてふざけるのが年中特有の現象です。これは、周りの子や大人の反応を楽しんでいるためです。
ですから、親や先生が頭ごなしに「そんな汚い言葉ダメ!」などと怒るのはNG。「お母さんはそういうのは好きじゃないな」で、いいんです。年長になれば、自然とおさまってくるものですから、大きな心で受け止めてあげましょう。
なかなかおさまらない場合はちょっと心配です。その場合は先生方に相談することをおすすめします。
年長は「恥ずかしい」と言う感情が出てくる時期
昔から、永久歯が生えてくる=自己判断が出来る歳と言われていますが、5、6歳ということは「心の理論」が確立され、自分と違う他者の気持ちや立場を理解できるようになるということです。
「周りを見られるようになる時期」とも言えます。先述したような、“汚い言葉”を意味もなく言うことや、人と違うことをするのが「恥ずかしい」と思う感情が出てくるのが年長児の特徴です。
社会性や社交性が大きく伸びていきます。考え方も空想から論理的になってくるので、特に女の子などは理屈っぽく口が達者になる時期でもあります。
一方で学習面では、初等教育が受けられる準備ができる時期。よって、小学校受験の準備もしっかり出来る歳だと言えるのです。
男の子はプライドを傷つけないように!
最近では、脳科学の観点から見ても、男女では脳そのものが違うという研究が発表されています。年中や年長児の子も同様です。
特に気をつけたいのが、男の子への親からの声掛けです。ママ友の前で、「うちの子ったら隠れてこんなことして男の子らしくないのよ」と話したり、「そんなんじゃ、いい男になれないぞ!」とお父さんが叱ったり、「お姉ちゃんは5歳でできたのに」と比べるなど…。
親からすればちょっとからかったつもりでも、男の子は自尊心を傷つけられて、「どうせ俺なんて」と習い事や学習など、すべてにおいてやる気がダウンしかねません。
男の子だけに限ったことではありませんが、他人や兄妹とは決して比べないことは心に留めておいてください。
女の子は特に褒め方に気をつけて!
一方、男の子もそうですが、心の発達が早い女の子は特に、親が適当に褒めたり、その場しのぎの発言をしていることもすぐに見破ります。「今度っていつ?」「本当にママはそう思ってないでしょう?」などドキっとする発言を言う場面も…。
コツとしては、具体的に褒めて、「ママはこう思ったよ」と親の思いをきちんと自分の言葉にして伝えること。知らず知らずのうちに、上から目線で「よくできたわね。えらいじゃない!」などと評価してしまっていることがありますので、褒める=認めることだと改めて認識するといいでしょう。
お受験でも問われる「仲よくする」意味とは?
小学校受験で見られる「行動観察」でも、年中・年長児になると、男女の差が出てきます。
男の子は目の前ことに夢中で具体的に遊ぼうとし、女の子はお友達との関係性を見ながら一歩引いた目線で遊んでいるのです。遊びたい車のオモチャがお友達に奪われたら、男の子は取り合いになりますが、女の子は誰が何をするか周りをよく見てから動くことが多いですね。
つまり、これまで先生や親に言われてきた「仲よく遊ぼうね」が簡単には通用しなくなる歳なんです。では、受験ではどんな子が求められるのか? それは、男女問わず「自然に人を巻きこめる子」です。
車が取られて嫌だったり揉め事が起きたら、とりあえず「じゃんけんで順番ね」ではなく、「一緒に遊ぼう」と声をかけられたり、何もせず待っている女の子がいたら「こんな遊びをしてみない?」と提案できるなど。
主張が強くても弱くてもダメです。相手の気持ちを汲み、状況を見て、自分の気持ちをきちんと伝えられる子になれるといいですね。
まだまだ甘えたい未就学児であることも忘れずに
年中・年長児は大人っぽい一面も出てきますが、まだまだ甘えたい盛りです。そのバランスを取ろうとして、保育園や幼稚園などでいい子なほど、家でワガママや暴言をはく場合があります。それは、「ここなら言っても大丈夫、素を出してもいいんだ」と安心して甘えている証拠です。
ですから、そんなときは甘えたい気持ちを受け止めつつ、ダメなことはダメときちんと教えるようにしましょう。
いかがでしたか。「年中・年長をどう過ごすかで、小学校以降の伸びにつながる」と桑名先生。できることから実践していきたいですね。
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